中国軍がなぜ日米戦争史を学ぶのか
Japan In-depth / 2023年2月16日 23時0分
・中国軍には近年、実際の戦闘経験が少なく、とくに海上での大規模な戦争の体験がない。アメリカとの全面対決ではやはり太平洋戦争での日米戦でのような広大な海域での衝突が予測されるため、太平洋戦の歴史はとくに大きな意味を持つようになった。
・日本軍は最終的には敗れたが、その過程での先制の奇襲攻撃や自爆覚悟での神風特攻隊による攻撃はアメリカ側を揺らがせ、単なる物理的な次元ではなく、心理戦争というような側面でも大きな被害を与えた。
・アメリカ軍による日本軍の暗号解読などインテリジェンス面での米側の優位は個別の戦闘でも決定的な有利をもたらした。情報収集、偵察などのインテリジェンス戦が実際の最終戦闘の帰趨までをも決めることが立証された。
・ガタルカナル戦や沖縄戦での日米両軍の物量の圧倒的な差異は両国の総合的な国力の差から生じたことが明白だった。だからこんごの大規模な戦争でも当事国のとくに経済面での総合的な強さが軍事動向を左右することが再確認された。
・沖縄戦での日本の世界最大の戦艦「大和」の沈没が明示した海上戦闘での空軍力の決定的な効果は、戦艦よりも空母の威力、さらには海上での空戦でも地上基地からの空軍力の効果の絶大さを立証した。
以上のような考察を述べたヨシハラ氏は、中国の人民解放軍が将来のアメリカ軍との大規模な戦争を考えるうえで、太平洋戦争からの以上の諸点を教訓として活かそうとするだろう、と結んでいた。
**この記事は日本戦略研究フォーラムのサイトに掲載された古森義久氏の論文の転載です。
トップ写真:ミッドウェー海戦で米軍機の爆撃を受ける巡洋艦「最上」(1942年6月)出典:Photo by © CORBIS/Corbis via Getty Images
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