米国共産党には入らないという習近平氏
Japan In-depth / 2023年2月21日 23時0分
ところで、エドガー・フーバー長官が君臨し、反共主義の砦の感があった連邦捜査局(FBI)は同法の成立や施行に否定的だった。「危険分子」は「地上」で徒党を組んでくれた方が監視しやすく、非合法化で「地下」に潜られると捕捉しにくくなるからである。
これは、現在の米司法当局が、極左暴力集団アンティファのテロ組織指定に慎重姿勢を取る事情にも通ずる。
この種の取締法制は監視活動の法的根拠となる「適度のレベル」のものが望ましく、「解散命令」を強いられるなど強力過ぎるものは逆効果で、仮に法律が出来た場合でも、正面から発動しないのが治安対策上正解との判断である。市民社会に害を与える違法行為に走った活動家は、個別に刑事犯として検挙していけばよい。
米国では、共産主義者統制法の前に「国内治安維持法」(1950年)があり、「全体主義的独裁」を唱える人物の公務員任用禁止などが規定されていたが、その後最高裁が同法に違憲判決を出し、無効化された。今やBLM幹部のようにマルクス主義者を自認するだけでは、何ら社会的に制約を受けない。
要するに極左の側においては、共産革命を目指しつつも共産党は名乗らず、「差別に抗議する」団体という衣装をまとうのが戦術的に最も賢明ということになる。
実際、極左の襲撃対象にならないよう保険を掛けたい経済団体やリベラル派の富豪からBLMに続々寄付金が集まっている。プロスポーツのスター選手などもその一部をなす。
ちなみに以前、女子プロテニスの大坂なおみ選手の声明文(2020年8月26日)に「警察の手による引き続く黒人大虐殺(genocide)」を糾弾するという表現があって危惧を覚えたことがある。
BLMのスピンアウト(跳ね上がり)グループとして警察襲撃、放火、経済活動破壊を先導する、先述のアンティファのスローガンそのものだからである。性格もよく、まだ若い選手だけに、問題あるブレーンに取り込まれないようにして欲しいと思う。
トップ写真:タイのプラユット首相と共にAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に参加する中国の習近平国家主席。(2022年11月18日、タイ・バンコク)出典:Photo by Lauren DeCicca/Getty Images
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