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習政権に揺さぶり「李派」の「寝そべり」戦略

Japan In-depth / 2023年2月26日 11時0分

特に、国務院の新人事では、李強新首相をはじめ「素人集団」が政府各機関のトップを占める。そのため、政府の各部署がスムーズに回らない公算が大きい。もしかすると、今後、習政権は、政治が混乱するのを避けられないかもしれない。


李首相時代の多くの幹部が新政権への参加を“自主的に”辞退したのは、その混乱に巻き込まれるのを嫌い、習政権が内外の難局にどう対処するのかを見極めるためではないか。


同様に、3月に開催される全国人民代表大会と政治協商会議(両会)では「李派」が“自主的に”参加を辞退している。


話は変わるが、先日の政治局常務委員会で、習近平主席が「鹿を指して馬となす」(道理に合わないことを、権力を背景にして無理に言いくるめる)類いの奇怪な発言を行った(c)。昨年暮れ以来、中国各界からの圧力で、「ゼロコロナ政策」を打ち切り、中国国内でコロナ発生の“津波”を引き起こしている。


けれども、習主席は、突然、自ら指示した防疫政策が、疑う余地もなく正しかったと言い出した。習主席の苦しい言い訳は、早速、両会で厳しい批判を受けるかもしれない。そこで、ひょっとすると、党内の「反習派」に対し、先手を打ったのではないか。


中国民主運動指導者の魏京生は、今年2月、武漢市と大連市で発生した「白髪運動」が保守的性向を持ち、政府を信じていた高齢者達を「反北京」へと転向させたと指摘した。また、ほとんどの社会階層が反共産党に傾いたことを示すと分析している。


更に、魏京生は、「中国偵察気球事件」が米国の反中国共産党感情の新たな高まりをもたらし、習主席が米中関係の緩和に向けて努力するのを難しい状況にしたとも指摘した。


実は、2月9日に発表された最新の「ラスムッセン・レポート」の世論調査(d)によれば、米国民の48%が中国を「敵」と位置づけ、今後5年以内に中国が米国と戦争する公算が大きいと考えている。


なお、中国を「同盟国」と見ている人はわずか11%で、36%は中国を「同盟国と敵国の中間」と見ているという。 


〔注〕


(a)『万維ビデオ』


「中南海が大粛清を開始、習近平は "自ら配置、自ら指揮"」


(2023年2月21日付)


(https://video.creaders.net/2023/02/21/2579987.html)。


(b)『万維ビデオ』


「習近平のジョークを見て、故意に李克強の部下が両会を『自発的に撤退した』という」


(2023年2月18日付)


(https://video.creaders.net/2023/02/18/2578987.html)。


(c)『万維ビデオ』


「習近平が鹿を指して馬としたのは、隠された意図を持つ」


(2023年2月18日付)


(https://video.creaders.net/2023/02/19/2579225.html)。


(d)『中国瞭望』


「中国気球の影響下で米国の世論調査:米中は5年以内に戦争に突入する可能性がある」


(2023年2月11日付)


(https://news.creaders.net/us/2023/02/11/2576577.html)。


トップ写真:APEC首脳会議に出席する習近平国家主席。2022年11月19 日 タイ・バンコク


出典:Photo by Lauren DeCicca/Getty Images


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