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YouTuberの落日 オワコン列伝 最終回

Japan In-depth / 2023年3月1日 11時0分

原因について世上よく言われるのは「飽和状態になった」「そろそろ賞味期限切れだ」このふたつである。


飽和状態というのは2020年前後から言われ始めたようで、やはり新型コロナ禍が関係していると見て間違いない。


行動制限によって、ライブからTVのスタジオ収録まで、仕事がままならなくなった芸能人が、雪崩を打ってYouTubeに参入したため、チェンネルが乱立し、フォロワー(ファン)が分散してしまった。あの矢沢永吉までが、


「今カネないからYouTubeでもやろうかな」


 などと言って、本当にチャンネルを立ち上げたほどだ。永ちゃん、俺も登録してるぜ……という話ではなくて、もともと知名度のあるミュージシャンや俳優、アイドルなどのチャンネルは、短期間のうちに数十万、中には100万を超す登録者(=フォロワー)を獲得してしまう。


 この結果、広告収入や企業とのコラボの仕事も、既存のYouTuberたちから芸能人の手に移るケースが多くなった。


 これはご存じの読者も多いだろうが、YouTuberの収益とはもっぱら広告収入で、動画再生回数1000回につき、400~600円の収益が見込めるとされている。


 間をとって1回0.5円とすると、100万回再生されれば50万円。年間に何本動画を投稿できるかにもよるが、たしかに一攫千金も可能である。


 このようなサイトを運営している人をインフルエンサーと呼ぶが、そのものズバリ「影響力のある人」ということだ。


 マーケティング業界では、フォロワー数が100万人を超えるような人を「メガ(もしくはトップ)インフルエンサー」と呼び、10万人以上なら「ミドル・インフルエンサー」、1万人以上10万人未満は「マイクロ・インフルエンサー」と呼ぶ。


 そして1万人未満はゴミ……というのは嘘で「ナノ・インフルエンサー」と呼ばれる。


 こうした区分にどういう意味があるのかと言うと、広告の単価にも「格付け」があるためで、大手広告代理店の関係者から、私が直接聞かされたところによると、前述の再生数1回あたり0.5円という見積もりは「いささか甘い」そうである。


「0.07円から0.5円以上まで、ピンからキリまであるのが現実」


 で、フォロワー数が1万人そこそこだと、収益と言っても「年収換算で48万円くらい」とか。それは月収ではなく年収か、と思わず念押ししてしまったが、月収4万円では、もはや生活保護水準を下回るワーキングプアどころか、本業を別に持つか親がかりでもない限り食べて行けないだろう。


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