新たな関係構築へ 英仏サミット
Japan In-depth / 2023年3月13日 11時17分
国王訪問の15日前に行われた今回のサミットも、「優先事項」はフランスと英国の「新たな関係を築き上げる」ことであり、今後は協力して問題に取り組んでいく体制を整えることでもある。
■ 不法移民について
今回のサミットで一番注目されたのは、ドーバー海峡を渡って英国に行く違法難民についてだ。以前から、フランス北部のカレー市から設備の整っていないゴムボートなどでドーバー海峡を渡って英国に入国しようとする人が後を絶たず、ジョンソン元首相時代には両国の間に大きな溝を作った。しかし、決して両国が対策していないわけではない。
2022年に「1300以上のボートの横断を防止」し、「55の組織犯罪ネットワークが解体」したのにもかかわらず、それでも約4万6000人がこの海峡を渡ったのだ。そして、海をわたる違法移民は年々増え続け、英国の予算は逼迫している。今年もすでに4000人以上が英国にたどり着いた。
英国としては、援助が必要な難民に対しては必要な保護などして行く予定だが、犯罪ネットワークを介してやってくる不法移民に対しては、厳しく対応するとしている。英国政府は、ドーバー海峡をボートで渡ってきた場合は原則として難民申請を認めず送り返すなどとする法案を、すでに7日に法案を議会に提出したところで、スナク首相はこの件に関して、
「この新しい法律は、この国に不法に入国した場合、速やかに追放されるという明確なシグナルを送るでしょう。」
と英国のメディアに述べている。
そこで、今回のサミットでも、スナク首相はフランスに、「前例のないレベルの協力」を呼びかけ、両国は、不法移民を終わらせるための新しい体制に合意した。マクロン大統領は、両国が「人権の問題」があることを認識しながらも、不法移民との戦いにおいて「一緒に前進」したいと考えていることを強調した。
対策としては、フランス北部に新しい拘留センターを設立し、フランス側の監視人員の500人増加、および、海岸のパトロールとしてドローン(無人機)やそのほかの監視技術を取り入れるなど監視体制を強化することとした。こういたフランスの取り組みを支援するために英国側からの資金提供が大幅に増加させるとしており、2023~24年に1億4100万ユーロ、2024~25年に1億9100万ユーロ、2025~2026年に2億900万ユーロ拠出される予定だ。
マクロン大統領は、不法移民との戦いは英国とフランスだけに関係するものではなくより広範な課題であり、欧州連合諸国の関与なしには成し得ないことも強調した。
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