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アイルランド合意でEU安堵

Japan In-depth / 2023年3月13日 23時0分

英政府によると、具体的にはウィンザー枠組み合意では、英国本土から入り、北アイルランドにとどまる物品と、EU加盟国のアイルランド共和国に向かう物品は税関で異なるレーンを使う。前者のレーンは「グリーン・レーン」と呼ばれ、手続きが大幅に簡素化され、「レッド・レーン」と呼ばれる後者では、従来通りのEUの規則に沿って検査される。





さらに一部のEU法は北アイルランドに引き続き適用されるものの、一定の条件を満たせば英国が拒否できることも盛り込まれた。





◇包括的和平合意





EUは創設以来最大の危機的状況を生み出した、ロシアのウクライナ侵攻への対応に大きなエネルギーを割く必要があり、ブレグジットの取り決めの細部をめぐっていつまでもいがみあっている余裕はない。





その意味で、EUは今回のウィンザー枠組み合意が対英関係の好転に向けた転換点になるものと期待している。





EU側は、ジョンソン元英首相が主導したブレグジットは両者の経済関係だけでなく、1970年代初頭から数十年続いた北アイルランド紛争を鎮静化させた1998年4月の「包括的和平合意」までも危うくしかねないと懸念していた。





この合意の下で紛争の全当事者による北アイルランド議会が設置された。英国がブレグジットでEUの単一市場と関税同盟から離脱し、陸続きの北アイルランドとアイルランド共和国の間に税関を含む物理的な国境が復活すれば、包括的合意によって実現した和平が損なわれかねないと心配されていた。





こうした中で、今回の合意によって和平が失われる懸念は後退。バイデン米大統領も北アイルランド和平25周年となる4月に予定通りベルファストを訪問することになった。





ウィンザー枠組み合意は、スナク政権が忍耐強い対EU外交を展開したおかげだとも言えよう。その成果により、両者の関係が改善に向かい始めた。具体的には、EUは950億ユーロ規模とされる研究・イノベーション向け資金調達のための「ホライズン欧州プログラム」への再参加を促した。





さらに、3月10日にはスナク首相が訪仏し、マクロン仏大統領と会談。フランスからの英国への不法移民流入対策などで意見が一致した。5年ぶりの英仏首脳会談だった。





(了)





トップ写真:会見する第1党シン・フェイン党の党首メアリー・ルー・マクドナルド議員(右)とオニール副党首(左)出典:Photo by Charles McQuillan/Getty Images




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