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【ポケット避妊教室】若者に優しいケアや支援を学ぼう

Japan In-depth / 2023年3月15日 21時0分

 現在、これらの啓発資材を導入する学校や医療機関等の募集も着々と進んでいる。


 


【ユースフレンドリー講座】


  「医療従事者・若者の相談支援者のためのユースフレンドリーなケア提供のためのオンライン講座(略称:ユースフレンドリー講座)」は、緊張や不安を抱いて相談に来た若者が、「来てよかった!」「また相談したい!」と思える情報の伝え方や、多様な背景を持つ若者との向き合い方について学ぶ講座となっている。


 日本の医療・支援に関わる方や若者へのヒアリング調査により、日本の文脈に合わせ、オンラインで受講可能な講座としてピルコンが開発した。若者の相談支援に関わる人であれば、無料で受講することができる。


 イベントでは、実際の講座で使われているリーフレットなどを見ながら「支援者ができるユースフレンドリーな伝え方とは」「若者がもっと質問しやすい雰囲気を作るためには」などを議題に、グループごとにディスカッションが行われた。


 若者のヘルスケアを支援する活動をしていく上で大切なのは、「自分が歓迎されていると感じられる場所」を作ることだ。多様性を尊重し、様々な背景を持つ相談者がいることを念頭に、想像力を働かせて支援していく必要がある。


 また、「価値観を押し付けない」というのもキーワードだ。大人から若者に一方的に知識を与えるという認識ではなく、若者一人一人に寄り添い、安心してなんでも相談できるような雰囲気づくりをすることが大切だと説明があった。


 学生や医療従事者、大学の教員、性教育に携わっている人など様々な立場のメンバーが集まり、「ユースフレンドリー」についてそれぞれの思いや意見を交換した。


 その中でも、イベントに参加していた薬剤師の田中さんは「薬局が若者の相談の場になるのでは」と提案していた。昔の薬局は、軽医療の場であったという。


 地域の中に根付いた存在であり、田中さんも親に相談できないことは薬剤師の人に相談していた。そのような昔の薬局の姿を復活させることができるのではないか?というわけだ。


 ドラッグストアは全国でも17000店舗以上ある。このような身近な場所は、若者が気軽に悩みを相談できたり性教育を広めていく場所になりうるのではないか。


今までこのシリーズでは、若者の相談しやすい場所としてユースクリニックを新設する取り組みについて紹介してきたが、このように「既存の薬局を若者のヘルスケアについて相談しやすい場所にする」という考え方もあるのだ。



写真)イベントでのピルコン理事長染矢氏と福田氏


出典)Japan In depth編集部


 ピルコン理事長の染矢明日香氏はイベントの最後に「若者が「自分で決めること」が大事。その子のためだと思って代わりに決めてしまっていないか?支援者だからこそ繊細に考える必要がある」と話した。


 ユースフレンドリー講座を受講した人には、修了証がもらえるのだという。現在ピルコンは、受講済みのユースフレンドリーな支援者がいる場所を全国の地図にマッピングし、若者が相談したいときにひとめで「支援者がどこにいるか」を探せるような仕組みを作っている。


 若者が悩みを相談できる場所を確保していくだけでなく、その場でどれだけ若者に寄り添った支援ができるかが非常に重要だ。


トップ写真:実際のワークショップの様子


出典:;Japan In depth編集部


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