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大学の引きこもり・研究室不登校生への取り組み

Japan In-depth / 2023年3月17日 11時0分

3つの学習ブースが設置され、講義室での受講が困難な学生のために遠隔講義システムも導入している。さらに、リラックスできるフリースペース、人の姿がみえないところで過ごせるカウンターエリアも設けている。この他、ヨガ教室やアロマテラピー講座、コミュケーション力UP講座、レジリエンスの鍛え方講座、医師による足助式医療體操(体操)も展開している。





また、専任スタッフ1名がおり、学生の孤立無援感を払拭している。休憩時間等による専任スタッフ不在時には、教務課学生支援係のスタッフが対応マニュアルに準じて学生の様子に目を配るなど、見守り手として協力している。





学生の利用にあたっては、工学部・工学研究科相談室で面談を実施し、レジリエンス・サポートルーム利用が効果的であると判断した場合、学生に利用提案をし、まずは見学してもらう。その上で希望する場合は、契約書にサインの上、利用開始としている。利用契約書の内容は、1)自分を傷つけない、2)他人を傷つけない、3)ものを壊さない、の3つを旨とし、また、利用目的と利用に伴う配慮希望を記述してもらっている。





利用学生の9割は修学、卒業、進学、転学に至っており、残りの1割は退学しているが、医療機関での治療優先や進路変更が主な理由となっている。休学中の学生にも必要に応じて利用許可を出している。





2020年4月、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言によって、新入生たちは、思い描いていたキャンパスライフを打ち砕かれてしまった。引きこもりたくなくても引きこもらなければならない事態となった。工学部・工学研究科相談室における相談回数も500回を越えた。大学に来られないため、レジリエンス・サポートルームの年間利用延べ人数も減少したが、現在はできる限りの感染防止策を講じて開室している。





ある学生が、研究室に戻るようになった。「しんどくなったら、レジリエンス・サポートルームに帰ればいいから」と言いながら。レジリエンス・サポートルームのコンセプトは、たとえ、最終的に中退することになっても、大阪大学工学研究科に来て良かったという思いを残すことである。





**本記事は、MRIC by医療ガバナンス学会「Vol.23038 引きこもり・研究室不登校生への取り組みについて」2023年2月28日の転載です)





トップ写真:根岸 和政氏 提供:医療ガバナンス研究所理事長、上昌広氏




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