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プーチンは潔くハーグに出頭し裁き受けよ

Japan In-depth / 2023年3月20日 0時0分

連れ去られた子供は、ロシア家庭に養子縁組されたり、孤児院などに収容されているというが、かりに良好な状況に置かれているとしても、強制連行という戦争犯罪自体が免責されるものではないというのがICCの見解だ。





ウクライナ情報機関などによると、連れ去られた子供の数は1万6000人を超え、連れ戻されたのわずか300人ほどという。





■逮捕不可能でも安寧な生活期待できず





逮捕状が発行されたことで、今後の焦点はプーチンへの逮捕状執行、訴追、最終的には裁判で有罪に持ち込むことができるかーに移るが、訴追への第一歩である逮捕状執行、身柄拘束から困難とする見方が支配的だ。 





ICCが戦犯を拘束するに当たっては容疑者の出身国の官憲に要請するのが原則。しかし、ロシアはICCに加盟しておらず、拘束に協力する義務はなく、逮捕状は〝空手形〟になあってしまうためだ。





そうなれば、必然的に取り調べ、起訴、法廷での審理も不可能になる。





しかし、刑事訴追が不可能でも、プーチンが被る政治的な打撃は計り知れない。





ロシア国内では逮捕を免れても、大統領として、首脳会談などのために各国を訪問しようとしても、ICC加盟の123か国に足を踏み入れた途端に逮捕状を執行される可能性がある。





外遊、国際会議出席が大きく制約されて実質的には大統領職の遂行が事実上できなくなるだろう。





また、ポスト・プーチンの政権がICC加盟を決めた場合、その政権によって逮捕状を執行されるし、プーチン自身、終生、訴追の手を逃れる生活を強いられ、退任後の安寧な生活は期待できない。





■習近平訪露の冷や水





一方、プーチンへの逮捕状発行によってプーチン個人だけでなくロシアという国家の威信を傷つく。それが国際的にどういう影響を与えるか。





時あたかも3月20日には、ウクライナ侵攻で「中立」の立場をとってきた中国の習近平国家主席のロシア訪問が予定されている。





3期目の主席に選出されて最初の外遊先としてロシアをえらんだものの、プーチンが戦犯容疑者となったいま、冷や水を浴びせられた気分だろう。





アメリカ政府高官は、中国がさきに和平交渉を呼びかける文書を発表したことを念頭に、戦犯容疑者相手に和平仲介を行うことは、各国の中国批判を強めることになるとみている(AP通信)。





ウクライナとしても簡単に交渉のテーブルにつくことを躊躇する状況となり、ウクライナの政治学者の1人は「こういう状況での和平協議は、和平に向かうことはない」と皮肉たっぷりに分析している(同)。





■反ロシアの流れ加速も





プーチンの戦争犯罪人訴追は侵略直後から時間の問題とされてきたが、実際に逮捕状が発行されてみれば、その衝撃は大きい。





国連決議などで中立の立場をとる国が少なくない中、国際社会の雰囲気がロシアに批判的な流れに一気に傾く事態すら予想される。





刑務所の幻影に脅えつづける日々を送るか、一刻も早く裁きを受けてきれいな身になるかーどちらが心の安らぎを得られるかは明白だろう。





潔くハーグに出頭するのがプーチンのとるべき道だ。





トップ写真:プーチン大統領がロシア実業家・起業家連合と会談を行う(2023年3月16日、ロシア・モスクワ)出典:Photo by Contributor/Getty Images





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