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空き校舎問題①住民協議はどこへ「高岡発ニッポン再興」その59

Japan In-depth / 2023年3月20日 23時0分

旧平米小学校は、土蔵造りで知られる山町筋や、日本100名城といわれる古城公園とも近い立地条件です。つまり、歴史・文化エリアであり、博物館の移転を望む住民の声が多くありました。老朽化している博物館は移設に迫られています。そのため、旧平米小学校は移転先としてうってつけだというのです。





こうした地域住民の声を受けて、私は12月の定例会で、旧平米小学校の校舎跡地について、博物館の移転を提案しました。しかし市長は「博物館の移転先として旧平米空き校舎の活用は想定していない」と明言なさいました。





博物館だけではありません。ある住民は「地域食堂」を提案していました。子どもだけでなく、地域の高齢者らも食べる食堂です。学校に調理室があるので、そのまま使うのはどうかというのです。





また、別の人は、高校生らが勉強できる「学習室」にしてはどうかと話していました。現在高校生などが使っている、ウイング・ウイング高岡の学習室が手狭になっているからです。





このように、空き校舎の利活用についてはさまざまな意見が出ていました。住民の意見がすべて通るはずではありません。一長一短あるでしょう。住民の意見を聞くと収拾がつかなくなるという考え方もあります。しかし、地元小学校の校舎は地域コミュニティの核なのです。地元の意見をまず聞くことが大事だと、私は思っています。全国多くの自治体も空き校舎については、そのようにしています。





具体的な移転案を提示する前の段階で、住民に意見を聞く場を設けなかったのはどうしてなのか。私の議会での質問に対して、教育長はこう答弁しました。





「市の方向性がまとまったことから、事前に平米校下自治連合会の役員の皆さんにご説明し、ご意見をいただくとともに、今後の進め方等について、ご相談させていただいた」。





市の方向性というのは、教育センターの移転だったです。今回説明した相手は、自治連合会の役員わずか7人です。





つまるところ、役所の中の協議で決着したのです。ある元市役所幹部は「住民の声を聞かず進めていくのは『密室政治』。もちろん最終判断は役所がしなければならないが、その過程が大事です」と指摘していました。私も全く同じ意見です。





トップ写真:閉校になった旧平米小学校のグランドで草むしりする市民(筆者提供)




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