壊れる前に逃げて「新入社員に贈る言葉」その3
Japan In-depth / 2023年4月5日 7時0分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・大学生にとって最大の関心事は職場の労働環境。
・新入社員にとって直属の上司=会社であり、その相性次第で会社生活も大きく変わる。
・自分が壊れる前に逃げ出てもいいんだ、と思ってほしい。
大学生と話をしていると、やれあの会社はブラックだ、あそこはホワイトだとすぐに言う。バイト先やインターン先での職場の雰囲気で白か黒か分別しているのだ。彼らにとって労働環境が最大の関心事のようだ。
ネット上にもさまざまな口コミ情報があり、その会社の労働環境がどうかはある程度推察できる。誰しも劣悪な労働環境の会社に進んで入りたくないし、事前にわかるものなら知りたいのが人情だ。そういう意味からもこうした口コミサイトには一定の需要があるのだろう。
しかし、自分で選んで入った会社だからといって、安心はできない。「会社とはイコール直属の上司だ」という言葉があるが、入社してまずは直属の上司、すなわち課長か課長代理のようなポジションの人がスーパーバイザーとしてつくだろう。もしかしたらもう少し若くて入社2~3年目の先輩社員かもしれない。いずれにしても最初はその先輩から手取り足取り仕事を教わることになる。
問題はその最初についた人との相性である。それが良ければ何の問題もないが、悪ければ出社することすら嫌になってくる。
私の場合は、最初についた先輩の言うことにいちいち納得がいかず、一緒に仕事をするのが苦痛でしかなかった。幸いすぐに人事異動でいなくなったので助かったが、あれが1年以上続いていたら、と今でも思う。
もう一回、同じようなことが数年後にあった。その時の相手は課長だった。この人との相性も最悪だった。何を言っても否定される。そして議論好きときてる。毎日夜の9時、10時まで延々と2人で不毛な議論を続ける日々。とうとう堪忍袋の緒が切れた。
もうこの部署にいるのは無理。そう判断し、自分の出身部署の部長のところに行き、自分を引き取ってくれと直談判した。幸い、その部長とは人間関係があったので、その部門に戻ってもいい、と言ってくれた。取って返し、自分がいた部門長に異動を願い出てその部署におさらばした。あのままあそこにいたらやはり精神がおかしくなっていただろう。
ずいぶんと辛抱が足りない奴だと思われたかもしれないが、今でも逃げ出してよかったと思っている。
何が言いたいかというと、心が病むまで我慢することはない、ということだ。かつて大学で教えた学生が「職場環境が辛い」と相談に来たことがある。まよわず、「すぐ辞めなさい」とアドバイスした。その学生は心療内科に通うほど悩んでいたからだ。その後、その学生は転職し、今では好きな仕事についていきいきとしている。
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