地方発グローバル企業の重み…YKKの流儀「高岡発ニッポン再興」その69
Japan In-depth / 2023年4月17日 11時0分
2025年までに約200戸が完成する予定で、現在までに第一から第三街区の117戸と事業所内保育施設となる第四街区が完成しています。YKKグループの社員だけでなく、一般の方も入居可能です。パッシブタウン内にはカフェやハラールレストランが併設している他、事業所内保育施設では仕事と子育ての両立支援に取り組んでいます。
この住宅の最大の特徴は、エネルギー消費量が北陸の一般的な住宅に比べ5割から6割削減できる点です。パッシブタウンは、エネルギー問題への挑戦でもあるといいます。
それにしても、吉田氏はなぜ富山にこれほど拘るのか。
その原点は、創業者の父、吉田忠雄氏が提唱した「善の巡環」という独自の経営哲学に辿り着きます。それは利益を会社が独り占めするのではなく、顧客、社会、社員と共有しようという考え方です。
顧客や地域社会が発展することにより会社も繁盛する。会社が繁栄することで納められた税金で、道路や下水がさらに整う。
つまり、個人や企業の繁栄と社会の繁栄はつながり続けます。
この経営哲学は、いまも社内で共有されています。世界72カ国・地域で展開するYKKのビジネスの根幹となっているのです。国内約18,000人、海外約27,000人すべての社員が「善の巡環」の思想を学んでいます。
YKKにとって、富山への貢献も「善の巡環」を実践していることになると、私は思います。YKKのような地方発のグローバル企業が果たす役割は今後、一段と重みを増します。そして、巨額の財政赤字を抱え、人口が減少している日本社会において、地方発のグローバル企業は、東京一極集中を打破する“志士”のような存在になるでしょう。
トップ写真:YKKの創業家の吉田忠裕氏(左)(創業者で「ファスナー王」と呼ばれた父、忠雄氏の後を継いで2代目社長に就任。現在はYKK相談役)と筆者(右)(筆者提供)
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