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尹錫悦政権が乗り越えなければならない壁(上)韓米首脳会談での新たな核抑止戦略導出

Japan In-depth / 2023年4月23日 11時0分

バイデン大統領との首脳会談はホワイトハウスで26日に行う。首脳会談では、米国の「核の傘」戦力で北朝鮮から韓国を守る拡大抑止の強化が焦点になる。





米韓はこれまでも米軍の戦略爆撃機、空母の朝鮮半島展開や合同軍事演習の規模拡大に取り組んできたが、最近の北朝鮮の核戦力強化を受け、尹政権は米国の拡大抑止のレベルアップとしてNATO並みの「核の共有」を求めるものと思われる。





NATO式の核共有とは、欧州5カ国の米軍基地6カ所に配備された戦術核をNATO27カ国の国防相(フランス除く)が核計画グループ(NPG)を通じて運用案を協議する構造だ。





この拡大抑止強化には、北朝鮮対応での情報共有強化やサイバー、宇宙領域での安全保障協力も含まれる。この分野では日本との連携を図る論議が行われる可能性もある。





また、両首脳は、中国が圧力を強める台湾情勢やロシアから侵攻されたウクライナへの支援策も議論するとみられる。





会談ではこのほか、サプライチェーン(供給網)の安定化といった経済安全保障分野も議論するとみられる。両国の企業・機関間で数十件の了解覚書(MOU)締結も進めている。これに関連し尹大統領は25日、最初の訪問地のワシントンで投資申告式および韓米ビジネスラウンドテーブル、韓米先端産業フォーラム、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センター訪問と映像コンテンツリーダーシップフォーラムを消化する予定だ。 





今回の首脳会談で核心となるのは、一にも二にもNATO並みの「韓米核の共有」だ。この問題で尹大統領がこれといった成果を持ち帰れなければ、尹政権の先行きは楽観できなくなる。





(下に続く)





トップ写真:韓国国立中央博物館での国家晩餐会でのバイデン米大統領と韓国のユン・ソクヨル大統領(2022年5月21日 韓国・ソウル)出典:Photo by Lee Jin-Man - Pool/Getty Images




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