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尹大統領が米議会で言及した「長津湖戦役」

Japan In-depth / 2023年5月11日 11時0分

米国第10軍に所属する米海兵隊第1師団と陸軍第7歩兵師団の一部が、圧倒的に優勢な中国第9軍団と対峙し、やがて包囲網を突破(d)した。


翌28日、中国外交部の毛寧報道官は定例記者会見で「抗米援朝戦争(=朝鮮戦争)での大勝利は、中国と世界の双方にとって大きな意義を持つ」、「関係国が世界の平和と発展のためにもっと努力することを望む。そうしなければ、同じ過ちを繰り返す」と述べた。


また、毛報道官は中国の戦史によれば「長津湖戦役」で、3万6000人の敵が死亡し、そのうち2万4000人の米軍が死亡したと付け加えた。


中国軍事科学院戦史部(2000年出版)『抗米援朝戦争史』の資料でも、中国軍は「第2次作戦」で「3万6000余の敵を全滅させたが、その中に2万4000余の米軍を含む」と書いてあるという。


毛寧報道官が挙げた数字は『戦史』に掲載された「第2次作戦」における中国軍の総戦果であり、「長津湖戦役」は「第2次作戦」の一部に過ぎない。しかも、『戦史』によれば、「長津湖戦役」での中国軍の戦果は「(米軍を含む)敵の死者1万3916人」となっている。


更に、毛報道官は「長津湖戦役」で中国軍が「米連隊全体を全滅させ、米第8軍集団司令官のウォルトン・ウォーカー中将が混乱の中で死亡し、アチソン国務長官が『米国史上最も長く続いた敗北』と呼んだ」と説明した。


ところが、各種の資料によれば、ウォーカー中将は「長津湖戦役」に直接参加していないという。中国側が「第2次作戦」と呼ぶ時期だが、ウォーカーが指揮した米軍第8集団と長津湖で戦った米軍第10部隊は、それぞれ別の戦闘部隊だった。


他方、ウォーカーは長津湖から遠く離れた首都ソウル郊外で、“交通事故”で亡くなっている。


長津湖での戦闘中、15個師団15万人の中国軍は、米軍1個師団3万人と連隊戦闘団を急襲(e)した。米軍は9万人の避難民を連れて無事撤退したが、1万7000人の死傷者を出したという。一方、中国軍は6万人の死傷者を出し、2個師団が全滅している。


「長津湖戦役」は米軍が包囲網を突破した「名戦例」としてしばしば取り上げられる。一方、かつて「長津湖戦役」勝利の宣伝をためらっていた中国共産党は、10年前になって“歴史の捏造”を行い、同地での戦いを大々的に宣伝するようになったと指摘する評論家もいる。


〔注〕


(a)『地球大観』


「まさか尹錫悦が文武両道の手腕があるとは思わなかった」


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