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習政権の「森林から農地への転換」政策

Japan In-depth / 2023年5月12日 6時0分

ここ数年間、中国の食糧生産量は供給にほとんど問題がない(ただし、既述の如く、習政権は戦争準備のため、食糧供給を増産させようとしているかもしれない)。


1980年代以降、中国は3回の土地調査を行い、その第1回目は1984年から1997年まで行われた。


北京政府は調査後の正式な結果を公表していないが、いくつかの文書から、中国の耕地総量が18億ムー(1.2億ha=120万㎢)ではないかと推測される。


第2回目の土地調査は2007年から2013年にかけて実施された。その結果、中国の耕地面積は20億ムー(1.3333億ha =133.33万㎢)に増えた。


第3回目の土地調査は2017年から2021年にかけて行われたが、結果は中国の耕地面積が19億ムー(1.2667億ha =126.67万㎢)となり、10年間で1億ムー(666.7万ha =6.667万㎢)の耕地が減っている。そのため、習主席が激怒したという。


なぜ、四川省成都市で、「森林から農地へ転換」が行われたのか。それは、第3回土地調査の結果、四川省の耕地が7840.75万 ムー(522万7167ha=5万2272㎢)に過ぎなかった。10年間で全体の22.2%である2239.25万 ムー(149.2833ha=1.4928㎢)が失われ、全国の耕地面積の大きな省で最もその割合が減っていることがわかったからである。


一方、例えば、1999年から2002年の3年間で、延安市は341万ムー(22万7333ha=2273㎢)の農地を森林に戻し、土壌侵食を抑えた。長江上流域の原生林は、“水利の宝庫”だと林業関係者は口をそろえて言っている。


森林は降水量の約30%を吸収する。そこで、森林地帯では非森林地域に比べて洪水流を70%~90%減少させることができる。たとえ豪雨でも、森林が吸収・蓄積するので、鉄砲水になりにくくなるだろう。


しかし、昨今、北京は、雨量の多い地域でさえ森林を農地に戻している。同じ雨量でも、森林伐採地は森林保護区より2~3倍浸水し、前者の地域での降水は鉄砲水が生じやすい。


けれども、中国共産党は、森林を「水利の理想的な自然対策」とは考えていないふしがある。北京政府は人間の管理・指揮下にある大型貯水池こそ洪水・渇水防止のための重要な対策だと位置付けているようである。そのためか、近年、中国では雨のシーズンになると多数の省市で洪水が起きている。


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