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東京都はゴミ対策と捕獲でカラス退治成功 「高岡発ニッポン再興」その77

Japan In-depth / 2023年5月16日 11時12分

東京都はゴミ対策と捕獲でカラス退治成功 「高岡発ニッポン再興」その77


出町譲(高岡市議会議員・作家)





【まとめ】


・東京都はゴミ対策と捕獲、巣落としを徹底し、カラス退治に成功。高岡市もカラス対策を強化。


・生息数の調査継続も重要。カラス減少数など政策効果が分かる。


・農作物被害だけでなく糞被害も。カラス退治で、美しく品格のある高岡を。


 


高岡市では、「高岡の陣」と名付けて、カラス対策を強化しています。今の時期は「春の陣」として巣作り防止作戦を行っています。今のところ目に見える効果は上がっていません。カラス対策で成功を収めた自治体と言えば、東京都です。私は先日、都庁を訪れ、話を聞きました。


お会いしたのは、東京都環境局自然環境部の佐藤基以課長さん。


「ネットを使ったりして生ゴミの収集方法が改善したことと、カラスの捕獲作業を続けたこと。この2つが、大きな要因だと思っています」と説明します。


東京都では公園など40か所で夕方、生息数の調査を行っています。平成13年度には、3万6416羽でしたが、令和4年度は8699羽にまで減っています。実に70%減です。


佐藤さんはこう続けます。「カラスをゼロにしようとは思っていません。カラスは、童謡にもあるように昔から、日本人と共存してきました。外来の鳥でもありません。7000羽ぐらいが妥当だと思っています」。


生息数の目安を明確にしているのは、分かりやすいですね。毎年同じ40か所で調査しているのも重要です。政策効果がはっきりわかるからです。


カラスをどうやって減らすのか。まずは、ゴミの出し方の適正化です。東京都は、区市町村に生ゴミ収集方法の改善を促してきました。カラスの食を絶つのが狙いです。


また、捕獲トラップを設置しました。捕獲用のトラップは、生肉などのエサを入れた、かごのようなものです。幅4メートル×3メートル、高さ3メートル。入り口から入ると出られない仕組みとなっています。ピーク時には108基ありましたが、今では75基です。


業者は4日に1回見回りをして、エサを補充しています。ポイントとなるのは、おとり1羽を必ず残しておくことです。エサとおとりで、カラスがトラップに入り込むのです。捕獲数は、ピーク時には1万8000羽を超えましたが、ここ数年は5000羽ほどで推移しています。都庁によせられた苦情・相談件数が、平成13年度に比べ91%減少しています。


また、東京都では、令和3年度まで「巣落とし」を実施していました。ねぐらとなっている公園などで、巣をくまなく撤去していったのです。巣にヒナや卵があると、捕獲できないことになっていますが、今後被害が出る恐れがあるという「予察捕獲」という考え方に基づいた許可のもと巣落としをしていました。


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