侍ジャパン世界一、テレビ地上波ライブ中継がなかった!②
Japan In-depth / 2023年5月19日 21時0分
選手やジムは配信で世界中のファンに広く知られ、競技環境も良くなったが、地上波で中継されていれば、日本での引退会見ももっと盛り上がっただろうと思う。ただ個人戦のボクシングはファン層から見ても、有料のネット配信に親和性がある。
▪️3年後のWBCは有料配信か
3年後のWBCは、有料放送になるかも知れない。観たいならカネを払えばいいのか。そういう人もいるだろう。スポーツに特化した有料チャンネルもある。
が、野球を始めスポーツは高齢者を含め、多世代の厚いファン層に支えられている。東北のプロ野球チームの優勝は東日本大震災被災者を勇気づけた。
栗山英樹監督に率いられたWBCの優勝世界一のチームは、岸田首相を官邸に訪問し、祝福を受け褒章を受章している。国民的スポーツ、されど野球。されどWBC。
▪️公共財としての放送
公共放送主体で発展してきたヨーロッパ、とくに公共放送BBCのあるイギリスでは、「国民の関心が高い試合を「公共財」と位置づけ、国が地上波の無料放送を義務付ける英国発祥の「ユニバーサルアクセス権」の概念が広まった」(脇田泰子・椙山女学園大教授、4月28日付け毎日新聞朝刊論点)という。
日本では、スポーツに対する理解、放送ビジネスの公共的側面についても距離感がある。現状では、難しいだろう。日本の民放テレビはネットに圧されてコストカットを迫られているのか、ニュースやドキュメント、スポーツ中継などを除けば、お笑いやクイズ、旅にグルメ番組が溢れている。視聴者の年代や趣味・嗜好、考え方もあろうが、まさに玉石混淆の状態と言っていい。
▪️信頼でき、良識あるネット配信メディアとのすみ分け
多様化した現代のメディア社会のあり方が問われている。スポーツ中継の問題だけではない。ニュース報道などあらゆる分野にまたがっている。
近年ネットでニュースの専門的内容や深く掘り下げた事実関係を詳報するメディアも定着してきた。既存のメディアとは一線を画し、実績のあるジャーナリストや研究者が、自主規制のない自由で、速報できるサイト、配信サービスは貴重な存在だ。
一方で、アメリカ発祥の巨大ネットのニュース配信が若者らに広く行き渡っている。既存の新聞や民放テレビ報道局の外事、政治・内政、事件報道ニュースも入っているのだが、芸能人やタレントの離婚、不倫などのカッコつき「ニュース」も溢れている。SNSのフェイクニュースも氾濫している。
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