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アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その3 トランプ氏起訴が意外な現象を

Japan In-depth / 2023年5月23日 18時0分

それよりも顕著なのは共和党の候補者のなかでトランプ氏がリードしてきたのだけれども、そのリードの幅が大きくなった。いま共和党で有力候補と目されているフロリダ州の若手、44歳の知事でロン・デサンティスという州知事がいます。この人は保守陣営でかなり人気がある。まだ公式な出馬宣言はしていません。公式の出馬宣言をしている女性でサウスキャロライナ州の知事をやって国連の大使をやったニッキー・ヘイリーという51才の女性がいます。この人はインド系の人で、なかなか人気がある。もう一人、あまり知られていない州知事が出ています。


とにかくそのデサンティス知事とトランプ前大統領の支持率の差が、起訴される前はトランプが47%、デサンティスが39%でしたが、起訴されたという報道が広がった直後の世論調査でトランプが57%までになり、デサンティスが31%となってしまいました。8ポイントの差が26ポイントにまで広がってしまったのです。



▲写真:起訴されたトランプ氏が全面無罪主張後、デサンティス・フロリダ州知事(右)との支持率の差は拡大。写真は2018年中間選挙でのキャンペーン時。(2018年11月3日 フロリダ州)


出典:Photo by Mark Wallheiser/Getty Images


世論調査にもいろいろな種類があります。トランプ氏はたいしたことないんだという前提で決めていると、それを証明するようなリベラル系のニューヨーク・タイムスとかCNNなどが実施した世論調査からはそういう結果が得られる。


私は、ラスムセンという名前の世論調査を一番、多く使っています。ギャラップという名を聞いたことがあると思いますが、ラスムセンとギャラップというのは、長い年月、現職の大統領に対しての支持、不支持の世論調査を毎日毎日、ずっと実施してきました。毎日は2社だけでした。ところが、ギャラップのほうが景気が悪くなって、それを2年ぐらい前にやめてしまったのです。いま、毎日、大統領の世論調査をやっているのはラスムセンという会社だけです。ここ数年の大統領選挙の世論調査ではこのラスムセンが結果の予測では一番正しかったといえます。だからラスムセンというのを覚えていただくとよい。


今回のトランプ氏への支持率急上昇もラスムセンは的確に報じました。それ以外の世論調査機関でも、トランプ人気が急上昇したという結果はみんな一致しています。いろんな世論調査を全部集めて足して平均値を出す、リアル・クリア・ポリティクスという日本のメディアがよく使うところでも、トランプ氏の支持率はわずか1日ほどで3ポイントぐらい上がりました。


(その4につづく。その1、その2)


*この記事は鉄鋼関連企業の関係者の集い「アイアン・クラブ」(日本橋・茅場町の鉄鋼会館内所在)の総会でこの4月中旬に古森義久氏が「アメリカの内政、対中政策――ワシントン最新報告」というタイトルで講演した内容の紹介です。


トップ写真:ニューヨーク・マンハッタンの裁判所に弁護団を伴い出廷し、罪状認否に臨むトランプ前大統領(2023年4月4日)


出典:Photo by Seth Wenig-Pool/Getty Images


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