1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その4 共和党が団結した

Japan In-depth / 2023年5月24日 18時0分

アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その4 共和党が団結した


古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視」





【まとめ】


・トランプ氏起訴のブラッグ検事は民主党の活動家。


・共和党はトランプ氏起訴の政治的動機を追及している。


・共和党でもっともトランプ嫌いのミット・ロムニーまで民主党側を非難。


 


トランプ氏に関する今回の起訴の結果の第二の意外な現象というのは、第一と重なりあいますが、トランプ選挙対策本部への献金がドッと増えたことです。


トランプ氏はもう出馬宣言をしていますから選挙対策本部ができています。起訴直後の1日で400万ドルの資金が新しく入ってきたという。3日間で700万ドルになった。そしてそのうちの25%は初めての献金者だったという。こういう結果が出てきたのです。


第三の予想外の現象は一般の世論がトランプ氏の起訴の主役となったブラッグという黒人の検事に批判的な視線を向けたことでした。


ブラッグ検事が純粋な刑事容疑の捜査ではなく、今回の捜査を政治的動機でやっているんじゃないのかという疑問が党派の別を越えて、幅広く提示されたことです。数種類の世論調査によると、共和党支持層で、そうだ、政治的動機からだと答えたのが93%、民主党でも共和党でもない無党派層のほうの調査では70%が 政治的動機がある、と答えたというのです。


民主党の支持者の間では30%でした。起訴をしてもいいのか、悪いのかという問いに対しては、よい、悪いが拮抗していました。起訴してもいいよという人もかなりいるのだけれども、その起訴は政治的動機がどうしてもある、という人が一番多い。こういう世論調査の結果が出てきて、やはり、ブラッグという検事に対する政治的動機ということに焦点がいくわけです。


この認識にはそれなりの根拠があります。


というのは、このブラッグという検事は生粋の民主党の活動家なのです。ニューヨーク州の地方検事は選挙で選ばれるのですが、ブラッグ氏は立候補の際、「とにかくトランプを倒すのだ」、「トランプを倒すことが自分の使命だ」と宣言していました。


選挙で立候補となったときの公約が、自分は必ずトランプをやっつける、と。いろんな表現があるけれど、彼はゲット Getという言葉を使いました。ゲット・トランプという選挙公約です。普通の口語体でいったら「やっつける」という意味です。検事が捜査上の対象をゲットと言えば、有罪にしちゃうぞという意味になります。彼はそういう宣言をしたのです。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください