まだ1年半、本当に衆院を解散するのか
Japan In-depth / 2023年5月26日 19時0分
■ 国民の信を問うべき政策課題があるのか
憲政の常道に従えば、解散・総選挙は、内閣不信任案が可決されたり、政策、法案をめぐって与野党の主張が全面対立し、国民の判断を仰ぐ必要がある場合などに断行されるべきだ。
いまは、これらのいずれの状況でもないし、与野党の勢力拮抗解消めざして総選挙を行う必要があるかといえば、与党が絶対安定多数を確保している現在、それもあてはまらない。
ベストタイミングで解散すれば勝利濃厚、議員は落選を免れ、党は勢力を維持、または拡大することができる。いまの解散ムードの裏には、こうした思惑以外に何があるだろうか。
■ 公明党との意見相違がネックか
自民党内には早期解散への慎重論も少なからず存在する。
勢いに乗る維新と短期間のうちに再び戦うのは危険だという判断は少なくない。
岸田首相周辺には、最大の目的である来年秋の自民党総裁選での再選に向け、現時点で総選挙で勝利したとしても、1年半も政治的な勢いが持続するかという懸念も指摘されている。
衆院定数の「10増10減」による候補者調整が与党の一角である公明党との間でこじれていること、同党がさきの地方選で大きく議席を失い、総選挙を戦う力を失ったこともマイナス材料だ。
■ 大平、宮沢首相になぞらえるが・・
岸田首相はサミット前、会長を務める派閥「宏池会」のパーティーで、それぞれ1979(昭和54)年と1993(平成5)年の東京サミットで議長を務めた2人の派閥先輩、故・大平正芳首相、故・宮沢喜一首相に言及。自らを含め「転換期のサミットの議長」と胸を張った。
大平氏はサミットが開かれた年の秋に衆院を解散、宮沢氏は政治改革にからむ内閣不信任決議可決を受けて、サミット前にやはり解散に踏み切ったが、いずれも惨敗した。
2人の先輩と自らを並べて語る岸田首相には、これらの選挙結果をどうみているのか。
あくまで国家・国民のための解散時期を考えるべきだろう。
トップ写真: G7サミット最終日にG7世界首脳らに加わるウクライナのゼレンスキー大統領(中央)(2023年5月21日 広島)出典:Photo by Getty Images/WPA Pool / プール
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