我中国共産党の「戦狼外交」の経緯
Japan In-depth / 2023年5月27日 18時0分
2022年10月16日(第20回党大会開催日)、在英香港人(「香港人防衛戦線」)がマンチェスターの中国領事館前で中国への抗議活動を行った。その際、香港人が領事館の職員ともみ合いになり、抗議者1名が領事館の中庭に引きずり込まれ、殴られている。
暴力に加担した人の中には、鄭曦原・中国総領事も含まれていた。同年12月、鄭総領事を含めた領事館職員6人が異動となっている。だが、中国政府はこれを(“特別な異動”ではなく)“通常の異動”だと説明した。
今年4月、盧沙野フランス大使がフランスのテレビで「旧ソ連圏諸国には主権がない」と発言し、物議を醸した事は記憶に新しい(それ以前に、盧大使は、中国が台湾を統一した暁には、台湾人を“再教育”しなければならないとも述べている)。だが、習政権は、これはあくまで盧大使の“個人的発言”と居直った。
また、今年5月、趙巍カナダ大使が「ペルソナ・ノングラータ」(「好ましからざる人物」)として、カナダ政府から追放(b)された。同国のマイケル・チョン議員が、北京による新疆ウイグル自治区での人権侵害を非難した事に対し、趙大使が同議員や家族に圧力をかけたという。
他方、4月28日、呉江浩駐日大使が日本国内の「台湾有事は日本有事」との危機認識を批判し「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」(c)と威嚇した。
翌5月10日、林芳正外相は衆議院外務委員会で、呉大使による台湾をめぐる発言が「きわめて不適切」として、外交ルートを通じて厳重に抗議したと明らか(d)にしている(林外相の発表は遅いのではないか)。
実は、今年3月末、米議会下院は、中国から途上国の地位剥奪を目的とした「China Not a Developing Country Act」(「中国はもはや途上国ではない法」)を可決した。
ところが、それに対し(「戦狼外交」とは直接、関係ない事かもしれないが)、5月12日、中国外務省の汪文斌報道官は「米国は中国に『先進国』の帽子を与えようとしているが、中国はこの帽子を被ることはできない」と反発(e)した。ちなみに、習主席は「中国は“永遠”の途上国だ」と主張している。
〔注〕
(a)『DW』「中国の『戦狼外交』はどこへ向かうのか?」(2023年4月25日付)
(https://www.dw.com/zh/中国战狼外交走向何方/g-65427116)
(b)『万維ビデオ』「戦狼として戦い続ける 習近平はダークの方向に進むだけだ」(2023年5月13日付)
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