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中国不動産バブル崩壊か地方政府デフォルトか

Japan In-depth / 2023年6月2日 18時0分

また、議事録は、昆明市では今後半年で200億元(約4000億円)の債務が満期を迎え、市の財政が不足する。だが、雲南省は同市を救済しないと表明している。


そこで、何社かの都市投資会社社長は上海に行って支援を要請した。かつて、雲南省は上海市の援助対象であり、過去には上海市から雲南省に毎年数千億元の援助資金が送金されていたという。しかし、昨年の上海市の予算を見ると、今や同市は自分たちの分すら“採算が取れない”状態に陥っている。


一方、5月26日、湖北省の省都である武漢市財政局と同市の長江資産管理公司は、党メディア『長江日報』で債務回収ための共同発表(c)を行った。そして、259の企業や単位に早く借金を返済するよう前代未聞の要求をしている。企業の他にも、武漢市財政局傘下の多くの区財政局がリストに名を連ねているという。


地方政府は、3年間にわたる「ゼロコロナ政策」で財政を使い果たし、不動産販売の不振で税金収入も大幅に減少した。そればかりか、不動産会社が債務不履行や破産の危機に瀕している。そのため、現在、「借金を進んで返済しないか、返済したくてもできない」のが中国経済の“新常態”だと言われる。


さて、最近、貝殻研究院の名誉顧問、楊現領・博士の厳しい指摘が、ネット上で話題(d)となっている。


楊博士によれば、中国100都市のデータを見ると、1線都市(北京、上海、広州、深圳等)はまだ不動産需要がある。だが、3線都市(珠海、貴陽、太原、紹興等)や4線都市(延安、吉林、丹東、大理等)では、ほとんど不動産需要がなく、2線都市(無錫、厦門、瀋陽、大連等)では深刻な価格下落に見舞われているという。


他方、現在、住宅購入者たちの第1の関心事は、値上がりするかどうかではなく、将来、売れるかどうかである。また、小型マンションと学区の住宅は売れ行きが良く、単価も比較的堅調だが、郊外の大型マンションは売却が難しくなっている。実際、住宅が売り出されてから売却されるまでのサイクルは、まもなく300日を超えるという。


そして、ほとんどの都市では、85%の住宅が販売価格を下げて取引されている。ただ、中心地区の優良資産だけが、依然、値を上げている。それらの住宅は共通して、皆、高いという。


〔注〕


(a)『中国瞭望』


「住宅が失われ誰の手に渡っても大きな問題となる」


(2023年5月8日付)


(https://news.creaders.net/china/2023/05/08/2605897.html)。


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