アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その9 バイデン大統領は認知症なのか
Japan In-depth / 2023年6月3日 11時0分
皆さんもご覧になったでしょうか、大統領専用機のタラップをバイデン氏が上がろうとして、ガクッ、ガクッと、3回も転んだことがあるのです。これもリベラル系のメディアはほとんど報じない。
私もワシントンに長いですから、バイデンさんという人を、昔から知っています。上院議員をやっていて、副大統領をやっていて、なんとなくいい人なのです。われわれ日本人の記者がその辺でふっと声をかけても、きちんとこちらを向いて答えてくれる、ということがよくありました。
ただ、口が軽いというか、いろんなことを言うけれども間違ったことを平気で言うという癖が以前からありました。その特徴がいま高齢化と重なって、批判する側は認知症という言葉を使うようになりました。認知症じゃないか、と。医学的な認知症のテストというのがあるのだから、それを受けてみろと、共和党などはどんどん主張しています。
だから、このまま24年の選挙戦を乗り切れるかどうかというのも疑問符がつく。ただ、繰り返しですが、バイデン氏本人はやりたいと思っている。周りの側近もやりたいと思っている。では、それに代わる誰か、民主党側の有力な候補がいるかというと、いまのところ、いないのです。カリフォルニア州の州知事のニューサム氏の名がたまにあがるけれど、まだまだ知名度が低いし、問題があって出てきていない。
バイデンさんが、堂々と民主党の多数派の支持を受けて、大統領候補にまたなれるというシナリオはただ1つ。それはトランプさんが出てきた場合です。バイデンさんのこれまでの政治的な業績は何かというと、トランプと1対1で闘って2020年の選挙で勝ったということです。これは彼の勲章です。トランプが出てきたら、じゃあ俺が出て行く、ということになるのです。周囲もそれを認めがちです。
(その10につづく。その1、その2、その3、その4、その5、その6、その7、その8)
*この記事は鉄鋼関連企業の関係者の集い「アイアン・クラブ」(日本橋・茅場町の鉄鋼会館内所在)の総会でこの4月中旬に古森義久氏が「アメリカの内政、対中政策――ワシントン最新報告」というタイトルで講演した内容の紹介です。
トップ写真:空軍士官学校の卒業式に出席するためホワイトハウスを出発したバイデン大統領 2023年 出典:Photo by Win McNamee/Getty Images
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