アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その11 「ロシア疑惑」はフェイクだった
Japan In-depth / 2023年6月7日 23時0分
◇ アメリカの分裂とは
今度の起訴も、これまでの分裂をますます激しくする効果があります。これは本当にその通りです。その分裂で内戦にまでなるという人が日本でいたけれども、そういうことはないと、私は思う。私も30年、40年とアメリカ大統領選挙や国政を見ていますが、二大政党制のもとにおいて、大きな考え方の違い、政策の違いというのは一貫してずっとあるのです。
簡単に言ってしまえば、保守主義なのか、リベラル主義なのかということです。両者の対立が分裂にみえる状況を生むのです。保守主義というのは古きよきアメリカへの志向と言ってもいいでしょう。結局、国民と政府との関係をどうするか、なのです。
政治というのは国民と政府との関係のあり方です。保守は、政府というのはできるだけ小さいほうがよいと考えます。政府が民間の活動に介入するのは少ないほうがいいのだ、企業も自由にどんどんやってくれ、という考え方です。だから、性善説だといえます。人間というのは放置しておけば大体うまくいくのだ、という大前提です。
これに対してリベラリズムというのは性悪説だともいえます。人間集団というのは放っておくとろくなことをしない。だから、政府という理性を持った組織がそこに介入して暴走を防ぐ、間違った方向にいくことを防がなければいけないという考え方です。その結果の政策が大きな政府です。
(その12につづく。その1、その2、その3、その4、その5、その6、その7、その8,その9,その10)
*この記事は鉄鋼関連企業の関係者の集い「アイアン・クラブ」(日本橋・茅場町の鉄鋼会館内所在)の総会でこの4月中旬に古森義久氏が「アメリカの内政、対中政策――ワシントン最新報告」というタイトルで講演した内容の紹介です。
▲トップ写真:米上院が弾劾裁判で無罪を言い渡した翌日、「トランプ氏、無罪に」と書かれたワシントン・ポスト紙を掲げるトランプ大統領(当時)(2020年2月6日 米・ホワイトハウス)
出典:Photo by Drew Angerer/Getty Images
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