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アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その12 保守とリベラルとの違いとは

Japan In-depth / 2023年6月8日 11時0分

外交政策に目を転じましょう。保守とリベラルはどこが違うか。


保守側はトランプ氏が唱えた強いアメリカ、アメリカの利害の優先だといえましょう。だから国連なんかどうでもいいよ、という言い方をほぼしています。さらに対外政策の重要な一環としての軍事予算をどんどん増やした。いまバイデン政権はほとんど増やしていない。


バイデン政権の最新の国防予算は3%強ですが、インフレ率が6%、7%となっているので、実質上削減になっています。バイデン政権に限らず、民主党政権は軍事を重視しないという特徴があります。オバマ政権がそうでした。対外政策面で他国との対決や衝突をとにかく避けるという傾向です。


このようにアメリカ外交でも異なる政策が民主、共和両党の間ではぶつかりあう。振り子のように、保守が有利になる。そしてその政策に支障が出れば、こんどはリベラルの方向へと振り子が動く。こんな動きなのです。


しかしアメリカ合衆国という枠組みや土台は崩れません。民主主義である、人権擁護である、法の統治である、三権分立である、主権在民、国民こそが政府のあり方を決めるという、この仕組みというのはまだまだ揺らいでいない。ただその仕組みのなかで、さきほど述べたような価値観の違い、人生観の違いの衝突があり、最近はその衝突の勢いが激しくなっているのです。


(その13につづく。その1、その2、その3、その4、その5、その6、その7、その8,その9,その10,その11)


*この記事は鉄鋼関連企業の関係者の集い「アイアン・クラブ」(日本橋・茅場町の鉄鋼会館内所在)の総会でこの4月中旬に古森義久氏が「アメリカの内政、対中政策――ワシントン最新報告」というタイトルで講演した内容の紹介です。  


トップ写真:イベント会場に集まるトランプ大統領の支持者たち(2023年6月1日、アメリカ・アイオワ)


出典:Photo by Scott Olson/Getty Images  


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