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アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その13 人種差別の国なのか

Japan In-depth / 2023年6月9日 18時0分

その種の活動の行き過ぎを取り締まる警察は逆にその取り締まりを抑制しなければいけないというような感じになっているのです。


WOKE(覚醒する・目覚める)というのも、LGBTとかそういうリベラル志向の動きに対して新たな理解を持て、という意図の運動です。


それから、アメリカというのは人種差別の国なんだ、ジョージ・ワシントンは偉大な大統領だったかもしれないが奴隷を持っていた、だからこれは悪い大統領だというような主張も広範になってきました。クリティカル・レース・セオリー:critical race theory(批判的な人種説)という考え方です。リベラル派はこの説を小中公立学校のカリキュラムの中に入れと主張しています。


この説の核心は何かというと、アメリカというのは、建国以来、人種差別によって成り立ってきた国なのだから、それを認めなければいけないのだ、という。その反省や自認がいろんなところに浸透してくるのです。それに対してちょっとでも反対すると人種差別主義者だ、という。それがリベラル過激派の最近の動きなのです。その勢いが強くなっているのです。


例えば、下院の民主党議員のなかに女性の4人組というリベラル過激派がいます。中心で一番弁舌が立つのはアレクサンドリア・オカシオ=コルテスという若い女性です。ニューヨーク州でバーテンダーをやっていた女性で、歯切れがいい。それから、ソマリア生まれのイルハン・オマルという女性議員もその4人組の1人です。イスラム教徒で、いまでもかぶりものを着けている、


この4人はものすごくきついことを言う。いわゆる、古き良きアメリカを非難するのです。白人男性でキリスト教徒がまだまだアメリカは多数派で40%ぐらいいるわけです。この4人組のような超リベラル派はその人たちが建国してきたという歴史を、完全に否定とまではいかないけれども、ほぼ否定するのです。多数派はもちろん反発します。そういう対立が激しくなってきているのです。


(その14につづく。その1、その2、その3、その4、その5、その6、その7、その8,その9,その10,その11、その12)


*この記事は鉄鋼関連企業の関係者の集い「アイアン・クラブ」(日本橋・茅場町の鉄鋼会館内所在)の総会でこの4月中旬に古森義久氏が「アメリカの内政、対中政策――ワシントン最新報告」というタイトルで講演した内容の紹介です。


トップ写真:下院民主党議員団会議に出席後、記者団に話すアレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員(2023年5月31日、アメリカ・ワシントンDC)


出典:Photo by Anna Moneymaker/Getty Images


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