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メキシコとペルーの“バトル”エスカレート「今や断交寸前」

Japan In-depth / 2023年6月13日 18時0分





■「太平洋同盟」の行方に暗雲





 メキシコとペルー関係の悪化は単に二国間の問題にとどまらず、中南米を中心に各国に影響を及ぼすことも考えられる。メキシコとペルー、それにコロンビアとチリが原加盟国となって2011年に設立された「太平洋同盟」(PA)の行方に暗い影が生じているためだ。PAは中南米地域の経済統合だけでなく、アジア太平洋地域との政治経済関係の強化を目的とする組織。エクアドルとコスタリカが加盟を申請中で、シンガポールは準加盟国。日本を含め61カ国がオブザーバー国に名を連ねる。議長国は1年毎の輪番制で、本来なら議長国は今年、2022年のメキシコからペルーに交代する予定だった。ところが、メキシコのロペス・オブラドール大統領がペルーのボルアルテ大統領の正統性を認めないとして、議長国のバトン引き渡しを拒否。このままでは「太平洋同盟」の基盤が損なわれかねない事態となった。エクアドルとコスタリカの加盟やオーストラリア、ニュージーランド、カナダおよび韓国が目指す準加盟国入りの協議はとん挫する可能性が指摘されている。メキシコとペルーの“バトル”がどうなるか、当分、関係国の大きな関心を集めることになろう。(了)









トップ写真:石油収用85周年を記念する式典でのオブラドール大統領(2023年3月18日 メキシコ・メキシコシティ) 出典:Hector Vivas/Getty Images





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