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中国の「地方政府債務」再考

Japan In-depth / 2023年6月20日 18時0分

同グループ研究者が、中国205都市と3000の地方政府「融資プラットフォーム」の年次報告書を調べたところ、半数の都市は債務償還支出が総収入よりも10%多い事が判明した。





一方、新華社は、今年4月末時点で、中国全土の地方政府債務残高(隠れ債務を除く)は約37.07兆元(734兆3600億円)で、全人代が承認した上限の42.17兆元(約835兆3900億円)を下回っていると、中国財政部のデータを引用して伝えている。





また、記事は中央および地方の法定政府債務を含む昨年の中国の債務比率(債務残高/経済総額)が約50%だったことに言及した。これは国際的に受け入れられている60%の警告ラインを下回っており、主要な市場経済国や新興市場国のレベルを下回っているので、リスクは一般的に制御可能であると主張している。





けれども、地方政府の隠している債務がどの程度にのぼるのか、まったく不明である。





ところで、新型コロナが流行した3年間、全国31の省市が財政的にどのような成績を収めたのか(d)。また、裕福な省市は全国の財政にいくら寄与したのだろうか。





財政の豊かな省市は中央政府に「上納」している。逆に、財政状況が厳しい地方政府は、中央政府を通じて、他の豊かな省市から財政援助してもらわなければ破綻する。これが、省市間の「財政移転給付金」である。





上海市は、中国の31の省・市の中で最大の財政貢献をしている。昨年の貢献額は7339億元(約14兆5385億円)で、一昨年と比べ8.8%の微減にとどまった。つまり、2476万人の上海市民は、昨年1人当たり2.96万元(約58万6400円)を中央国庫に寄付した事になる。





北京市は、この3年間、中央への財政貢献は、7000億元台(約13兆8670億円)で安定している。





また、広東省は2019年に5516億元(約10兆9272億円)、昨2022年に5098元億(約10兆0991億円)を、浙江省は2019年に2486億元(約4兆9248億円)、昨年に2656億元(約5兆2615億円)を中央に寄付している(両省とも一時期、コロナ禍で財政事情が悪かったか)。





2022年、広東省は1人当たり4028元(約7万9800円)を、浙江省は平均4038元(約8万円)を寄付した計算となるだろう。





他方、2019年の江蘇省の財政貢献額は、2971億元(約5兆8855億円)で、昨年、913億元(約1兆8087億円)と激減した(理由は不明)。





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