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入れ替わる?日米企業それぞれの「会社と従業員の関係」そして「HR3.0」後篇

Japan In-depth / 2023年6月22日 11時0分

ここで「マトモ」と表現したのは、企業経営のあり方、もっと直接的に言えば「経営改革」です。AIを始めとするDXへの投資による経営改善、そして「人的資本経営」など、日本企業の覚醒を筆者は心から期待しています。





では、どのように人財育成を行えば良いのでしょうか?これまで日本企業がやってきた人財育成と、上記「HR3.0の基本構造」の表にある人財育成のどこが従来と違うのでしょう?





従来の人財育成は、OJT(職場でのトレーニング)中心であり、例えば「人間力」、人格や識見と言った良くわからないものが人事評価の中心でした。





もちろん、稲盛さんが重要視する「私心なき心」と言ったものも人財育成の到達点の一つかもしれませんが、そうしたものはあくまでも必要条件の一つであって、今日本企業の置かれている状況をブレークスルーするような人財育成には、違った考えが必要だと思うのです。





徐々に「ジョブ型」(それぞれの仕事の内容がはっきりしていて、それゆえそれを担当する人の要件が明確な雇用制度)になっていくのですから、漠然とした能力ではなく、明確な基準が必要です。





筆者は、現在の日本企業が求められていることは「経営改革」、例えば新たな事業を開発していくイノベーションのようなことであると考えています。





それを達成するためには、相応の専門能力・・・スキル・・・が必要なわけですが、経営改革のような達成するには社内外での軋轢などを蹴散らすような強い行動力が必要です。HRの世界では、後者のような能力を「コンピテンシー」(行動特性)と定義し、スキルと同様に、会社主導で能力開発を進める考えが90年代に広まりました。





下記が、コンピテンシーのスタンダードと言っても良い、スペンサーのコンピテンシーディクショナリーです。





日本型の能力評価に比べ、与えられた課題をやり切る「達成志向」や「イニシアティブ」、状況の変化に対応して課題を達成していく「柔軟性」などの項目も入っており、非常に具体的です。









▲表 出典:筆者作成





スキルというものが、経験や学習によって向上するように、コンピテンシーについても、経験や学習によって向上します。最近、コンピテンシーという考え方はあまり聞こえなくなっていますが、「行動」=経営改革の実行に直結するコンピテンシーにもこの機会に光を当てるべきだと思います。





今こそ、研修などの学習機会を会社主導で増やす、そうした投資が、今後重要なのです。





人的資本開示でウェルビーイングだけでなく人財育成に資金を投じ、それによって経営改革を進め、果実を従業員、株主とも分かち合う・・・そんな新しい企業と従業員のパートナーシップ、作れると良いと思いませんか?





トップ写真:イメージ 出典:Bim/GettyImages




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