ブリンケン米国務長官の訪中
Japan In-depth / 2023年6月25日 18時0分
だが、いずれも中国共産党に対し「武力行使をするな」、「さもなければ米国も黙ってはいない」、と警告する“外交的表現”だろう。
習政権は航空機や艦船による台湾への継続的な“嫌がらせ”をしている。一方、米国は台湾へ武器売却を増大し、米台の軍事協力を密接に行っている。そのため、米中間での相互信頼を築くのが難しい。また、北京はワシントンが「台湾独立」に関して“暗黙の支持”をしているのではないかと疑っている(e)。
第4に、ブリンケン訪中で、米国は中国経済崩壊を望んでいないことを伝えた(c)という。
けれども、米国が中国に対し再び技術を開放し、貿易や関税の優遇措置などを提供するよう中国が期待するのも“非現実的”である。他方、ナイキやアディダスが中国から撤退し、アップルがフォックスコンに中国からの撤退を要請しているという(フォックスコンはインドへ進出か)。
第5に、ウクライナが大規模な反攻を開始した。仮に、ロシア軍が敗北したら、プーチン大統領が核兵器を使用する(f)かもしれない。それをどう防ぐかも、ワシントンが北京との対話再開を熱望した理由かもしれない。
実は、先月、サリバン国家安全保障問題担当補佐官は、ウィーンで王毅中央外事工作委員会弁公室主任と会談(g)している。米中間の対話チャンネルには事欠かない。結局、王毅主任がブリンケン長官を怒鳴りつける等の“侮辱”は、バイデン大統領を激怒させ、「習主席は独裁者」(h)とまで言わしめた。
〔注〕
(a)『中国瞭望』「米中会談で明らかになった10の異変:世界は、本当に変わった」(2023年6月18日付)
(https://news.creaders.net/china/2023/06/18/2618340.html)
(b)『米国のスタンス』「米国に圧巻の包囲網を敷かれた中国共産党は、外界に“汗”をかかせようとする」(2023年6月11日付)
(https://news.creaders.net/us/2023/06/11/2616194.html)
(c)『米国のスタンス』「自業自得の屈辱、バイデン政権は一体何をやっているのか?」(2023年6月20日付)
(https://news.creaders.net/us/2023/06/20/2618826.html)
(d)『米下院監視委員会』「コーマー監視委員長が、バイデン一族が中国のエネルギー会社から報酬を受け取っていたことを明らかにする」(2023年3月16日付)
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