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「高岡発ニッポン再興」その85 2カ月半、市民や県にも「緊急事態」伝えず

Japan In-depth / 2023年6月29日 11時0分

私はこの問題を指摘するにあたり、数多くの医師に話を聞きました。親族に医師もいます。10時間以上にもわたる聞き取り調査を総合すると、産婦人科医は365日24時間体制が必要。医師の働き方改革もあり、4、5人の産婦人科医がいなくてはなりません。さらに、さまざまな診療科がある大きな病院が安心なのです。ある公的病院の放射線科の医師は、出産の際に産婦の出血が止まらなくなり、急きょ呼び出されることもあると話しています。産婦人科の医師だけでは限界があるのです。





福島県の大野病院事件で、ますます産科医の訴訟リスクがクローズアップされました。産科の希望者が少なくなったそうです。





大野病院事件とは、2004年に福島県立大野病院で、産婦が帝王切開手術を受けて、死亡。手術を執刀した医師が、逮捕、起訴された事件です。





市民病院の産科休止は避けられないのかもしれません。妊婦の安全をとるならば、大きな厚生連高岡病院に集約するのは仕方がないのかもしれません。





ただ、それとは別に、私は、高岡市はぎりぎりまで努力すべきなのです。早々にあきらめ、大学の都合で、市民病院がなし崩し的に診療科がなくなる。これは、行政の在り方として問題があると思っています。市民を守るのが、行政の責務です。高岡市は来年4月に産科休止としていますが、土壇場での逆転劇を期待しています。





そして、これをきっかけに、市民病院は今まで通りの厚生連高岡病院と並ぶ総合病院でいいのか。そろそろ高岡市における公的病院の在り方を見直す時期に来ていると思います。





(その84の続き)





トップ写真:産まれたばかりの赤ちゃん(イメージ)出典:FatCamera/Getty Imeges




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