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中国、「親ロ」からシフト「対外関係法」を制定

Japan In-depth / 2023年7月7日 18時0分

現在、ロシアが今般のウクライナ戦争で徐々に後退している観がある。そこで、北京はモスクワとのパートナーシップを見直す公算もあるだろう。というのは、もしかすると、近い将来、プーチン大統領が退陣する可能性も考えられる。習政権が過度に「プーチン寄り」になってEUを怒らせるのは、外交的に得策ではないだろう。


ただし、習主席が今、プーチン大統領を中途半端に見捨てようとすれば、大統領に大いなる怒りを買う。そして、中国は”国際版プリゴジン”となったプーチン大統領から報復される恐れがないとも限らない。


ところで、7月1日、中国では改正「反スパイ法」が施行された。世界の目はこれに注がれている。だが、同日から施行された包括的な「対外関係法」(d)の方が重要かもしれない。


同法は、習近平政権が長年蓄積してきた外交原則・措置を合法化・規範化したもので、党指導部の対外工作を法的に強調している。習主席が提唱する「戦狼外交」を法律で確立したとも言えよう。


具体的には、中国の国家安全保障、並びに、米国「ロングアーム法」(被告が当該州に所在していない場合であっても、被告がその州に最小限度の関連がある場合、当該州の裁判所に裁判管轄が認められる法律)に対抗することを目的としている。北京は国内法を用いて他国による制裁に報復しようとしているのではないか。


つまり、習政権は、米国による特定の分野で中国に課されているハイテク製品や設備に対する禁輸措置への“対抗措置”を強化したのである。


実は、北京は、台湾に武器を販売する米国企業などに対して、すでに報復制裁を行っている。新法の制定はこのような措置にさらなる法的裏付けを与えるだろう。他方、中国共産党の外交政策に対する習主席の個人的コントロールを反映したものに違いない。


習政権が発足以来、中国外交はその経済力を頼りに、「一帯一路」構想で政治的、経済的、軍事的影響力を世界に拡大し、「戦狼外交」を強力に推進してきた。だが、そのため西側諸国に包囲され、経済的苦境に立たされている。


〔注〕


(a)『中国瞭望』


「盧沙野、中国共産党の主権の考え方を明らかにし、マクロンを平手打ちにする」


(2023年4月24日付)


(https://news.creaders.net/china/2023/04/24/2601008.html)。


(b)『万維ビデオ』


「裏切りだ! 毛寧はなぜ傅聡のこの言葉を裏書きしたのか?」


(2023年6月29日付)


(https://video.creaders.net/2023/06/29/2621497.html)。


(c)『中国瞭望』


「突然の風向きの変化! 北京が珍しく口が緩む」


(2023年6月27日付)


(https://news.creaders.net/china/2023/06/27/2621119.html)。


(d)『万維ビデオ』


「前例がない、習家軍はこれを『最後までやり続ける』つもりだ」


(2023年6月29日付)


(https://video.creaders.net/2023/06/29/2621695.html)。


トップ写真:大クレムリン宮殿での調印式で握手する習近平国家主席とウラジーミル・プーチン大統領(2023年3月21日、ロシア・モスクワ)


出典:Photo by Contributor/Getty Images 


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