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経済好調なバングラデシュ

Japan In-depth / 2023年7月7日 11時0分

▲表1:世界の国・地域の外貨保有高ランキング 改訂版





そんな脈絡で見ると、パキスタンとバングラデシュの関係は興味深い。





1947年8月にパキスタンとして独立後、パキスタンの「属国」的地位に置かれていた東パキスタン、つまり現在のバングラデシュはインドの支持などを得てバングラデシュとして1971年2月に独立した。宗教面では、パキスタンと同様イスラム教が国教で、国民の88%がイスラム教徒。独立までパキスタンに使用を強要されたウルドゥー語でなく、ベンガル語を国語としている。





パキスタンの人口は世界5位の約2億3,140万人(2021年、世界銀行)で国土は日本の約2倍。バングラデシュの人口は1億6,935万人(同)で国土は日本の約40%。国土の広さとは裏腹に、バングラデシュ経済の調子が良い。





パキスタンは潜在的な成長力を有すると思われるが、政情の不安定、電力不足などに悩まされている。主要産業の農業、繊維産業は昨年の大洪水で打撃を受け、今なおその影響はサプライチェーンなどに及んでいる。





このため、パキスタン政府はこのほど、IMFから30億ドルの緊急借り入れの予約を取り付けた。世界銀行によると、パキスタンの2022年のGDP成長率は6.1%(暫定)、2023年から3年間の予測値は2023年が0.4%に下落、2024年は2.0%、2025年は3.5%で低成長が見込まれている。





一方、バングラデシュの2022年推定GDP成長率は7.1%と高く、2023年から3年間の予測値はそれぞれ5.2%、6.2%、6.4%となっている。この4月にはハシナ首相が来日、岸田首相と首脳会談を行ったほか、経済界にも交流増進を要請した(トップ写真)。





中央銀行であるパキスタン国立銀行の外貨準備高は2023年5月19日段階で41億9,300万ドル。他の国内銀行保有分を合わせても97億3,110万ドル。同国の外貨準備高は1年前ごろから減少傾向にあり、中国の「一帯一路」プロジェクトに絡む借金返済も重荷になっている(写真2)。









▲写真2 シェバズ・シャリフ首相 イスラマバードでのメガ・プロジェクト見直し会議(2023年6月16日)出典:パキスタン首相府





バングラデシュの2023年3月―5月の外貨準備高は3月が311億4,270万ドル、4月が309億6,530万ドル、5月が298億7,390万ドル。輸入代金支払いやドル売りタカ買いの市場介入で減少傾向にあったが、表1の6月段階では311億5000万ドルに持ち直している。





パキスタンに比べると桁が違う。





バングラデシュは2015年には世界銀行の分類で低中所得国となり、2018年3月には国連の開発途上国卒業基準を達成した。2026年には開発途上国を卒業する予定だ。





トップ写真:岸田首相とバングラデシュのハシナ首相の首脳会談(2023年4月26日)出典:内閣広報室




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