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中国地方政府不正の実態

Japan In-depth / 2023年7月8日 18時0分

検査院は監査で発覚したその他の不正も概説している。その中には、多くの地方政府が(1)無差別に罰金を課すことで歳入を増やしている、(2)企業に引き受けを約束して“隠れ負債”を数百億元増加させている、(3)中央政府から割り当てられた資金を不正に使用している、等が含まれる。





中国財務省のデータによると、2022年、地方政府の土地使用権譲与収入は前年比23%減少した。





7月4日、ブルームバーグの報道によれば、中国最大の幾つかの国有銀行は、地方政府融資プラットフォーム(LGFV)に超長期および一時的な金利緩和融資を提供(e)し始めた。9兆ドル規模の債券市場が逼迫している今、信用収縮を防ぐためである。





中国工商銀行や中国建設銀行を含む多くの銀行がここ数ヶ月、信用力のある適格なLGFVに対して25年ローンを増やしているという。





今年2月、国際通貨基金(IMF)は全国のLGFVの隠れ債務は、2022年末までに66兆元(9.1兆米ドル=約1319.5兆円)にのぼると推定した。また、ゴールドマン・サックス・グループの試算によると、広義の公的借入額は約23兆米ドル(約3335兆円)に膨れ上がっているという。





一方、米コンサルティング会社の子会社『チャイナ・プロジェクト』は、次のように発表(f)している。





実は、中国は、巨額の外貨預金を持っており、これらの資産は中国人民銀行(中央銀行)の口座には表示されていない。同国の国有銀行に隠されていて、実際の対外資産は6兆ドル(約870兆円)近く、公式の外貨預金のほぼ2倍となっている。つまり、本来、中国は現在、世界の主要な債権国のはずである。





けれども、この外貨預金をLGFVのIMF公表の“隠れ債務”に充てたとしても、3.1兆米ドル(約449.5兆円)以上の借金が残る。他方、仮に、ゴールドマン・サックスの試算が正確だとすれば、約13.9兆米ドル(約2015.5兆円)の赤字となるだろう。





 





〔注〕





(a)『万維ビデオ』「珍しいことに、李強は突然この問題で怒った」(2023年6月27日付)





(https://video.creaders.net/2023/06/27/2621089.html)





(b)『万維ビデオ』「治療法なし、中国経済は20年後退する」(2023年6月29日付)





(https://video.creaders.net/2023/06/29/2621862.html)





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