オランダ・ヘルスケア政策「健康寿命を5年伸ばす」メディアツアー報告1
Japan In-depth / 2023年7月9日 7時0分
2040 年までに、不健康なライフスタイルや生活環境に起因する病気の負担を30%減少させる。
ミッション II:適切な場所でケアを行う
2030年までに、医療機関ではなく自分の生活環境でケアを受ける事ができる割合を今より50%以上引き上げる。
ミッション III:慢性疾患を持つ人々
2030年までに、慢性疾患や生涯にわたる障害を抱えていても社会に参加できる人の割合を25%増加させる。
ミッション IV: 認知症の人
2030 年までに、認知症患者の生活の質を25%改善する。
Health Hollandは、「科学者」、「起業家」、「政策立案者」に「市民」が加わる「4重らせん」と呼ばれるアプローチにより、外国企業にも官民連携パートナーシップへの参加を呼びかけるとしている。
実はオランダのバイオ医薬品と医療技術(MedTech)などのライフサイエンスビジネスの将来性はEUにおいてトップだという。上記の官民連携の取り組みや、戦略的立地、優れたビジネス環境などからライフサイエンス&ヘルス関連企業にとって最適な拠点とみなされているからだ。
それはオランダに、3,000超のR&Dライフサイエンス企業と420のバイオ医薬品企業があり、65,000人の医薬品従業員がいることからもわかる。医療技術関連市場は、約47億ユーロ(約7,332億円:1ユーロ=156円で計算)に達し、政府は、ライフサイエンスの研究開発に年間約20億ユーロ(約3120億円)を投資している。
オランダのヘルスケア、ライフサイエンス政策の特徴はなんといっても官民連携だろう。もちろん日本でも同様な取り組みはあるが、ミッションを明確に絞った上で、効率的に推進しているように思える。
また市民を巻き込んでのアプローチも興味深い。超高齢化社会の日本にとって、認知症患者の増大は深刻な問題だ。2025年に65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人の将来推計は5人に1人だという。フレイル、ロコモ、サルコペニアなど、身体機能の衰えを表す用語は飛び交うが、国民の危機意識は決して高いとは言えない。認知症予備軍を大量に抱えている日本にとって、オランダのアプローチは参考になろう。
一方、健康寿命を延ばすことは社会保障費の増大を意味する。その点を質すとメーテレン教授は「5年というのは平均寿命ではなく、あくまで健康寿命だ」と述べるにとどまった。しかし、いくら健康だとは言っても高齢者は医療費も若者よりはかかるだろう。社会保障費の増大に苦しむ日本からみると、その点が少し気になった。合理的なオランダのことだから、当然予算措置は考えているだろうし、成長しているヘルスケア/ライフサイエンス産業が税収を押し上げると予想しているのかもしれない。
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