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オランダ「エネルギーを貯蔵する街」メディアツアー報告2

Japan In-depth / 2023年7月15日 12時36分

24/7Energy Labのシステムは、いわゆる「水素電力貯蔵システム」だ。余剰電力を使って水電気分解装置で水素を製造し、タンクに水素を貯蔵する。電力が必要になったら、蓄えた水素を燃料として、燃料電池、つまりCO₂を排出せず水のみを生成する電池で発電を行う。









▲図 24/7 Enegy Labの仕組み 出典:The Green Village





上の図を使ってもう少し詳しく説明すると、日々の需給バランスをとるためにはバッテリーに電気を貯め、冬場の需要増に応えるためには、水素を貯蔵媒体としてつかうハイブリッドシステムになっている。この水素は主に夏場に太陽光で発電した電力を利用し、水の電気分解で作られる。その後、コンプレッサーで圧縮されて水素タンクに貯蔵され、冬場に十分な太陽光発電が行われないときに、燃料電池によって発電の為に使用される。





ここで貯蔵された電力はグリーンビレッジ内の建物に供給されており、分散型電力供給システムの実証実験が行われている。









▲写真 太陽光パネルを壁に設置したスマートハウス ⒸJapan In-depth編集部





■ 今後の課題





24/7Energy Labを開発したのは、デルフト工科大学の電気工学部、数学およびコンピューターサイエンス学部の博士研究員であるNa Li氏だが、このシステムの問題点として、水素貯蔵タンク、電解槽、バッテリーのコストが高いことを挙げている。一方で、今後数年間で太陽光パネルと同様に価格が下がることが予想されるため、地域エネルギーシステムとして普及が期待できるとしている。





実は日本でも同様の研究は行われている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が中心となって取り組む「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」における実証実験がそれだ。









▲写真 FH2R 外観(福島県・浪江町)ⒸNEDO





水素電力貯蔵技術は、地産地消の分散型電源システム確立のために必要な技術だ。The Green Villageのように敷地内のスマートハウスで実証実験を行いながら技術開発をしていくシステムは、水素社会を目指す日本としても参考にしたい。





(続く。1はこちら)





トップ写真:水素貯蔵タンク(中央の赤いボンベ)ⒸJapan In-depth編集部




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