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「セメント王」浅野総一郎物語⑬ 海運会社発足、初仕事は屯田兵の輸送

Japan In-depth / 2023年8月3日 18時24分

それに対し、総一郎は自分の会社は安い価格で多くの荷物を積むのが目的として設立したものだとし、7000円以下の料金でも構わないと説明しました。





総一郎は永山とすっかり意気投合。この旅館で料理に舌鼓し、酒を飲みました。こうした総一郎の動きに敏感に反応したのは、日本郵船です。すぐに、永田に面談を申し込んだのです。





「1万円ぐらいが相場だと思い、金額を提示させていただきました。でも考えてみれば、屯田兵を北海道に送るというお国の仕事。儲け度外視で、タダでもやりたいと思っています。手前どもに仕事をさせてください」。





浅野というライバルが出現したことで、日本郵船は豹変したのです。永田の怒りはいっそう高まりました。「ほかに船がなければ1万円を要求し、競争相手がいればタダだというのは、言語道断だ」。





浅野回漕店が結局、屯田兵の輸送の仕事を7000円で引き受けることになりました。屯田兵を乗せた船は、25日かけて、堺から北海道まで運行したのです。これで、5000円の利益を出しました。交渉力は、浅野総一郎の真骨頂と言えます。現代の経営者やサラリーマンも学ぶべきところが多いですね。





(⑭につづく。①、②、③、④、⑤、⑥、⑦、⑧、⑨、⑩、⑪、⑫)





トップ写真:北海道庁第2代長官永山武四郎(生没年:1837年~1904年鹿児島県鹿児島市)出典:北海道庁




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