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タクシン元首相タイ帰国目指す 実刑判決後海外逃亡中 恩赦狙いか

Japan In-depth / 2023年8月13日 7時0分

しかし首相選出の上下院の選挙が16日以降にずれ込んだこともあり、5日にSNSを通じて「10日に予定していた帰国を延期する」ことを明らかにした。帰国する前に健康診断を受けることを理由にあげての帰国延長としたうえで新たな帰国予定日は10日以降の「2週間以内」になるとの見方を示した。





この「2週間以内」という期限設定には8月中にタイ貢献党の新首相が選出されることによる「恩赦」という期待が込められているのは間違いない。





★依然高いタクシン元首相の人気





タクシン元首相はビジネス界で通信事業を通じて業績を拡大、タイ有数の富豪に成長した実績を背景に1994年に政治家の道に入った。





その後2001年に政権を担い東北部の農民や低所得者を優遇する政策を打ち出したが、2006年に退陣後、在職中の汚職容疑で訴追された。





以降海外滞在のまま帰国せず、実質的な逃亡生活を送っていた。





だがタイ貢献党は現在もタクシン元首相の熱烈な支持者層が多く、これまでも何度か支持者らから帰国を求める声がでていたものの、タクシン元首相は逮捕を恐れて帰国をためらってきた経緯がある。





海外逃亡中は中東やアフリカなど国々を転々とし、日本にも一時入国したことがあったという。





★新たな政治問題になる可能性も





タイは現在、前進党のピター党首の首相選挙への立候補が資格無効として投票が回避された事の可否判断が憲法裁判所で審理中であるため新たな首相選出作業が延期されている。タイ貢献党を中軸とする野党連合による新首相選出選挙はこの憲法裁判所の判断が示される16日以降となるとみられている。





このためさらにしばらく首相不在が続くことになり、タイ政治の混乱はさらに続くことになる。





こうした状況に前進党の支持者からは「総選挙で第一党になった政党党首が首相に選ばれないのは異常な事態」としてピター前進党党首に反対した上院の親軍派や保守派、さらに前進党を外して首相候補を擁立しようとしているタイ貢献党に対しても反発と不満を高めており、バンコク市内の国会議事堂周辺などでの抗議活動を強めており、不測の事態に備える治安当局との間でも緊張が高まっている。





トップ写真:亡命したタイのタクシン・シンナワット元首相。娘のピントンタと(2006年9月21日、イギリス・ロンドン)出典:Photo by Daniel Berehulak/Getty Images




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