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台風5号による中国の被害と習主席への風刺

Japan In-depth / 2023年8月18日 17時0分

五常市だけで、これほどの被害が出ている。おそらく、黒龍江省の他地域でも似た状況ではないだろうか。





さて、台風5号が河北省を通過する頃、毎年恒例の北戴河会議(同省)が行われていたはずである。だが、習近平主席はもとより、李強首相さえ河北省の被災地に姿を現していない(c)。





そのためか、習主席を揶揄する論評が突然、発表されている。





台湾の中央社(CNA)は『人民日報』海外版傘下の新メディア組織の微信(WeChat)が8月9日、「人が率先しなければ人は従わず、人が先にしなければ人は信じない--総書記の古典の知恵」と題するニュース記事を掲載したと報じた(d)。 





この記事は同日夕方、『人民日報』など中国の主要メディアによってリツイートされている。





実は、2020年1月8日、習近平主席は「初心を忘れず、使命を心に留める」教育総括会議での演説で、次のように述べた(e)。





「人が率先しなければ人は従わず、人が先にしなければ人は信じない。指導機関と指導幹部が率先して先頭に立ち、先にやることが、わが党の成功に向かう鍵である」。





更に、8月10日付『人民日報』はその第1面で「決定的な場面で最前線に立つ——大部分の党員と幹部は、治水と洪水救援の最前線で戦うという使命を肝に銘じている」という長文の記事を掲載(f)した。





この表現では、「大部分の党員と幹部」という部分に注目したい。裏返せば「一部の党員と幹部」は最前線で戦う使命を忘れていると指摘したのではないか。これは、どう考えても習主席に対する“あてつけ”であり、“高級なブラックユーモア”ではないかと受け取れる。





思えば、胡錦濤時代、災害が発生した際には、胡主席の名代として温家宝首相がいち早く、現地に駆けつけていた。ところが、習近平時代になって、(李克強前首相は別にして)主席本人がすぐに災害現場へ駆けつけた事がない。これでは、人心を掌握するのが難しいのではないだろうか。





 





〔注〕





(a)『万維ビデオ』「河北軍用機が被災地に墜落、最新の内幕はこれだ」(2023年8月9日付)





(https://video.creaders.net/2023/08/09/2635562.html)





(b)『中国瞭望』「東北部の大洪水、なぜ誰も気にかけないのか?」(2023年8月13日付)





(https://news.creaders.net/china/2023/08/13/2636724.html)





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