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都市再開発の規制強化で一極集中解消を!【日本経済をターンアラウンドする!】その11

Japan In-depth / 2023年8月25日 11時30分

①2013年6月:東京都が「再開発等促進区」を設定。容積率を緩和、建物の最高高さを80メートルまで緩和





②2015年4月:都、JSC、明治神宮、高度技術社会推進協会、伊藤忠商事、日本オラクル、三井不動産らが「神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書」を締結、再開発に突き進むことになる





③2018年11月:「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」策定。公園まちづくり制度の活用





このようにして規制が緩和され、再開発の道が開けたのだ。いつの間にか、にというのが正直なところだ。





■都市計画法制を問い直すべき





企業にもビジネスという論理がある一方、住民にも愛着、快適さ、景観という価値感などがある。それぞれがいがみ合うよりも、妥協点を探ることが重要であるし、妥協できないのなら、今後こうした対立が起きないように我々は今回の事例から学んでいくことだろう。





大事なのは、いつの間にかにルールが変更していること、そして、そのルール変更について利害関係者以外の人々は蚊帳の外の状況であったことだ。メディアの報道もあったが、注目はされなかった。その意味で行政、特に東京都や新宿区が社会的な合意を積み上げる姿勢を示したのか、民主主義的な手続きなのか、という点で行政の公共性が問われるべきだろう。





しかし、本来なら都市再生、都心の開発は国政マターでもよいものだろうと思う。なぜいかというと、法律のもとで、すべて動いているからだ。





多くの人が国土はどうすべきか?都心に集中させるべきか?について国民の関心事項の1つであろう。東京・関西・名古屋などの経済圏やニセコなどのいくつかの地域以外は人口流出や高齢化で地域経済はとても厳しくなっている。





その意味で、都市再開発を進めてくるのに貢献したのは「都市再開発法」「都市再生法」「都市計画法」などの法律、そして、「高度利用地区」というのがこの都市再開発を進める法的根拠であろう。





高度利用地区に指定されてしまうと指定内容に適合する建物、つまり高層ビルしか建てられなくなってしまうのだ。なので、これらの法律や運用実態を国会で議論していくべきなのだ。超高層ビルが乱立する東京は魅力もあるが、地震や災害に極端に弱いことが国際的にも評価されているからだ。





■都市再開発を国民的議論すべき





人口縮小時代、地方創生時代。岸田政権も「一極集中の是正」を公約し、新しい資本主義を掲げ、デジタル田園都市国家構想を掲げている。実際のところ、人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査で「地方から東京への集中は望ましくない」と答えた者の割合が全体で48.3%もいる。国民の約半数。東京都民も40%程度である。地方から東京への人・モノ・カネ・情報の移転が止められない現状では、とりあえず都心の再開発を促進する法律の見直しは急務であろう。





3600万人の東京圏の一極集中解消を進めるためには、都市空間の規制強化、地域分散、DX化が問題解決案になるわけだが、一丁目一番地は都市計画関連法の見直しと考える。そのためには、国政選挙の争点・テーマとして国民的議論をする時期なのではないだろうか。





トップ写真:神宮外苑 出典:show999/Getty Images




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