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日米豪比合同軍事演習、欧州とも連携 南シナ海で中国けん制へ

Japan In-depth / 2023年8月31日 17時0分

比軍当局者によると豪軍との合同演習は2025年に予定され、比豪軍双方から約2000人のあらゆる軍種の兵力が参加する見込みという。





演習ではフィリピン西側の沿岸を利用した水陸両用攻撃作戦を想定して行うとしており、南シナ海での中国の行動を想定した実戦に即したシナリオとなる可能性がある。





このようにマルコス政権は日米に加えて豪、英などの欧州との安全保障面での関係強化に積極的に取り組んでいる。





こうした動きに中国の反発は必至だが、国際海域である大半の南シナ海や比のEEZ内での海洋権益を断固として守るというマルコス大統領の強い意志が反映しているのは間違いない。





★南シナ海漁業解禁で中国に警告





中国は毎年5月1日から8月16日まで南シナ海での漁業を禁じる禁漁期間を設けているが、今年もそれが終わり南シナ海では多数の中国漁船が一斉に操業を開始している。





中国漁船が操業に際してこれまでも比領海や比EEZに不法に侵入する事例が報告されていることからフィリピン政府は「国際的なルールを遵守して操業するように」と中国当局に対して警告を発している。





さらにフィリピン外務省は「南シナ海での中国漁船による不法操業に対してフィリピンは法的措置を講じる用意がある」と強い姿勢を示している。





南シナ海を巡っては2014年に当時のベニグノ・アキノ大統領が中国により一方的に主張して自国の海洋権益が及ぶ範囲として宣言した「九段線」は不当だとオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)に訴えを起こした。





PCAは審理の結果2016年に「九段線とその囲まれた海域に対する中国が主張してきた歴史的権利は国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」との判断を下した。しかし中国政府はこの判断を現在まで一切無視して国際社会を敵に回す結果となっている。





今年8月5日には比EEZ内南沙諸島のアユンギン礁にある座礁船に比海兵隊員を駐在させて実効支配を続けている地点への食糧、生活物資の補給任務が中国海警局船舶や民兵が乗り組んだ民兵船からの放水などの進路妨害で中止に追い込まれた。





その後22日に再度補給を試み、この時は補給を果たしたが、周辺海域には中国、フィリピン双方の海軍艦艇が待機し、米軍機が警戒のため上空から監視するという物々しい態勢での補給任務完遂だった。





中国側が米軍と対峙して軍事的緊張が高まることを警戒して補給任務の徹底的妨害を回避したとみられている。





フィリピン側は2020年以来445件の外交的抗議を中国側に提出しているがほとんど効果がない状況が続いており、今後も南シナ海を巡る中国とフィリピン、その同盟国による「つばぜり合い」は続く。





トップ写真:マニラの中国大使館前で抗議活動を行うフィリピン人デモ参加者  (2023年8月11日フィリピン・マニラ)出典:Photo by Jes Aznar/Getty Images




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