バイデン大統領の失言がさらに頻発
Japan In-depth / 2023年9月6日 23時0分
・バイデン氏は少年時代に黒人差別に反対して、抗議運動に加わり逮捕されたという逸話を大統領就任後にも語っているが、実際にはそうした逮捕の記録はまったく存在しない。バイデン氏は2020年の大統領選挙中には「南アフリカで黒人指導者のネルソン・マンデラ氏との面会を求めたため現地当局に拘束された」と3回も述べたが、その記録は存在しない。
・バイデン氏は昨年12月の退役軍人たちとの会合で「私の叔父のフランクは第二次世界大戦で戦い、名誉戦傷勲章を受章した。私が副大統領時代に改めて彼にその勲章を与えた」と述べた。だがフランク・バイデン氏がその勲章を受けた記録はなく、バイデン副大統領の時代にはすでに死亡していた。
この記事での実例以外にも、バイデン大統領は最近の訪日で日本国内でアメリカ海兵隊将兵と面会し、それら将兵のイラクなどの軍務を讃えた際、「私の長男もイラクで軍務についていた時に戦死した」と述べたが、その長男は実はアメリカ国内で病死していた、という事例もあった。
またバイデン氏は日本の岸田文雄内閣が防衛費の倍増を決めたのも「私が岸田首相に防衛費増加を何度も求めた結果だ」と言明し、日本側から事実ではないと抗議されてその発言を撤回した。
さらに認知症をも懸念させる事実関係の大きな間違いという点ではバイデン氏の「アフガニスタン戦争体験談」が有名である。
バイデン氏は2020年の大統領選の予備選中に、以下のような「体験」を繰り返し語った。
「私は副大統領としてアフガニスタンでの戦争にかかわる米軍将兵の激励に行き、コナー地域での激戦を目撃した。その戦闘ではアメリカ海軍大佐が20メートルほどの深さの谷間に取り残され、敵の猛攻撃を受けている部下をロープを伝わって助けるのをみた。その後すぐに私はその海軍大佐に副大統領として銀星勲章を授与することになった。だが大佐は助けた部下が結局、死んだので、勲章を辞退しようとした。なんとすばらしい話ではないか」
米軍の勇敢で誠実な将校の言動を告げる美談だった。ところがすぐにこの話の具体的な部分がほとんど事実と異なることが判明したのだ。
バイデン氏がアフガニスタンを副大統領として訪れたことはなかった。だからその戦闘での救出を目撃したという話にも根拠はなかった。バイデン副大統領が似たような戦闘での功労者に銀星勲章を与えたという記録もなかった。確かに似た戦闘はあったが、そこで部下の救出にあたったという軍人は海軍大佐ではなく陸軍士官だった。その士官もバイデン氏から勲章を受けたことはなかった。
バイデン氏は後にこの逸話についての「記憶の非」を認めた。
そしていま2023年9月、再び民主党の大統領候補として再選への名乗りをあげたバイデン氏は同じ民主党陣営からも、この種の懸念をまたぶつけられているのである。
トップ写真:ホワイトハウス東室でバイデン大統領から名誉勲章を授与される退役米陸軍大尉 2023年9月5日、ワシントンDC
出典:Photo by Chip Somodevilla/Getty Images
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