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G20「ロシア非難、昨年と比べトーンが後退」していない

Japan In-depth / 2023年9月12日 17時41分

キューバ、G77+中国首脳会合を主催(16日まで)





【今回、新興国中心の国連の枠組「77カ国グループ(G77)プラス中国」の首脳会議を主催するのはこれまた反米のキューバだ。中国はBRICsやG77などを使い、着々と反欧米陣営作りを進めているが、今回のキューバ会合に具体的成果はあるかね。】





9月16日土曜日 NATO国防相会合(オスロ)





9月18日月曜日 インド議会の特別会合始まる(一週間)





トルコとギリシャの首脳が国連総会の前にニューヨークで会談





【両国は同じNATO加盟国ながら、歴史的には宿敵同士。だが、米国務長官は本年2月、対立するギリシャとトルコに対し「相違を克服し、緊張を高めかねない一方的な行動を避ける」よう求めていた。米外交の努力が実ったのか、それとも、いつものエルドアンの気紛れなのか。いずれにせよ要注意である。】





さて話をG20サミットに戻そう。内外報道では「ニューデリー首脳宣言はロシアを名指し非難しておらず、昨年と比べトーンが後退した」などと報じられたが、本当にそうなのか。記事を書いた記者たちは昨年分も含め、首脳宣言を全文精読したのか。英文で34ページ、83パラグラフもある今回の宣言を丹念に読めば答えは明瞭だ。





昨年の首脳宣言だって、精読すれば、決してロシアを「名指し非難」などはしていない。一時は採択すら危ぶまれた宣言だが、実際には会合初日に採択されている。さすがはインドだが、筆者は今回の宣言も内容的に「決して悪くはなかった」と考えている。その理由は以下の通りだ。





ニューデリー宣言中「ウクライナ部分」はわずか1ページ弱。中国はもちろん、台湾への言及もなく、宣言の大半は経済関連だ。そもそもG20は経済サミットで、基本的に政治問題は取り扱ってこなかった。今年の宣言でもG20は「地政学的及び安全保障問題を解決するためのものではない」とわざわざ述べている。





確かに、今年の宣言は、ロシアを名指しで言及せず、関連する国連決議を再確認するのみだ。しかし、「領土取得を追求するための武力による威嚇又は武力の行使」を「慎む」とされた「全ての国」の中には当然ロシアや中国も含まれる。今年は内容的により踏み込んでいるのではないか。





逆に、昨年の宣言は必ずしも「ロシアを名指しで非難」していない。多くの参加国が「ロシアのウクライナ侵略を遺憾」と決議した国連総会などの場で「自国の立場を改めて表明」したが、ロシアは反論した、と説明しているだけ。ウクライナ戦争を「強く非難」したのも「ほとんどのG20メンバー」とある。G20の意見は一致していないのだ。





むしろ、筆者が最も感心したのはバイデン米政権の絶妙なインド・中東外交と、日本の動きだ。米CNNの解説者は、G20首脳会合中に外相をウクライナに派遣した日本外交を高く評価していた。詳細は今週の日経ビジネスに寄稿した小論をご一読願いたい。





今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。





トップ写真:G20ニューデリー・サミット及び出席国との首脳会談1日目、ナレンドラ・モディ・インド首相による出迎えを受ける岸田総理 出典:首相官邸




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