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学校や寺院付近に地雷を埋設 軍兵士の寝返りも深刻 ミャンマー

Japan In-depth / 2023年9月14日 17時0分

同条約では対人地雷の使用、開発、貯蔵、生産、移譲を禁止しており、2022年12月時点で162カ国が加盟している。





しかしミャンマーはこのオタワ条約には現時点では加盟していない。





ミャンマー軍政が対人地雷を各地のPDF勢力が強い地域を中心に埋設している背景には、国軍の兵力不足や兵士の士気低下などから直接的な戦闘を可能な限り回避しながら犠牲を強いるという戦法に活路を見出そうとする意図があるとみられている。





2021年2月のクーデター以来2年半以上が経過してもなお国土の大半で完全な治安が確保できない現状に軍政内部に焦燥感があり、それが対人地雷や空爆など直接戦闘ではない戦術を頻繁に採用している背景にあるとの見方が有力だ。





加えて軍兵士による非戦闘員の一般住民に対する民家への放火、暴力、拷問、虐殺などの人道に反する行為が増加していることも関係しているのは間違いない。





★軍を離脱する兵士続出





独立系メディア「イラワジ」は8月25日に民主派組織「国家統一政府(NUG)」が会議で過去4カ月の間に約500人の国軍兵士が軍を離脱し、脱走したことを明らかにした。





それによると8月だけで少なくとも50人の兵士が軍を「脱走」し、武装市民組織に合流するなどの「寝返り」が増加しているという。特に西部チン州、東部カレンニ州、カレン州などでのこうした傾向が顕著で、軍は多くの部隊で定員割れが生じていることが離脱した元国軍兵士の証言でも明らかになっていると報じている。





こうした事態の深刻さを裏付けるように軍は兵士の引き留めに必死となっており、休暇取得の奨励や芸能人らによる部隊慰問、部隊指揮官に兵士と食事を共にしてコミュニケーションをとるよう指示がでているという。





またPDF側も兵士に対して武器や弾薬などを持っての寝返りを奨励し、多額の報奨金を用意していると宣伝し、兵士の士気低下、離反を促す作戦を展開している。





このようにミャンマーの戦況は膠着状態にあり、軍内部にある焦りが対人地雷設置という戦法にあらわれているといえる。





対人地雷の犠牲となるのは主に女性や子供、一般市民であり、軍政への民心の離反は次第に膨らみ、軍政はますます苦境に追い込まれている。





トップ写真: 地元コミュニティは弾薬啓発ポスターを使用して、子供たちを教育し、地雷、ロケット弾、その他の種類の爆発物から保護している。(ミャンマー・カヤー州 2023年5月13日)出典:Daphne Wesdorp/Getty Images




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