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習近平政権の外交的誤算と台湾海峡危機

Japan In-depth / 2023年9月24日 23時0分

同時に、この地図には、中国が長年主張してきた南シナ海の「九段線」に台湾の全領土を加えた「十段線」も含まれており、フィリピン、マレーシア、台湾は不満を表明している。また、インドネシアは国際法に従って線を引くよう要求した。





けれども、このような習近平政権の(魯迅『阿Q正伝』に記された)「精神的勝利法」は、北京の己だけの楽しみで地図を描き、隣国を激怒(c)させている。





実は、インド政府高官は、米国が内々にインドに対し 「仮に、中国が台湾を侵略したら貴国はどうするのか」と尋ねてきたという。目下、インドは可能な対応策を検討している。





2ヶ月ほど前、インド国防省のアニル・チャウハン参謀総長が、米国とその同盟国を巻き込む台湾海峡での戦争の影響と、それに対し、インドが取り得る行動について調査を行ったことを明らかにした。





これは合理的な軍事的シミュレーションである。もし、習政権が台湾海峡で全力投球し、各国連合軍が東南沿海に集結すれば、インドはほとんど無防備な中国国境で、機に乗じて紛争地域を掌握するのは当然のことだろう。





台湾海峡危機が起きた場合、インド軍が考案した選択肢の1つは、インドは後方支援のハブとして機能し、同盟国の航空機や船舶の修理やメンテナンス、中国に抵抗する部隊への食料、燃料、医療機器の提供を行うというものである。





もう1つの選択肢は、より過激なシナリオで、中印国境に沿って新たな戦端を開き、中国が東西両面で戦うことで、インドが“中台戦争”(あるいは“米中戦争”)に「直接介入」する。





インド軍は政府高官からこの計画をできるだけ早く完成させるよう命じられている。評価結果は、モディ首相や他の政治指導者の意思決定に反映されるだろう。





ところで、現在、人民解放軍内には戦争への恐怖心が強く、ロケット軍の一部には習主席に従軍することを嫌がる者もいる(d)という。この時期、主席が「腐敗」を理由に、ロケット軍を一掃する真の狙いは、台湾海峡で重要な戦闘部隊を“自分の言いなり”にさせることにあるのではないか。





 





〔注〕





(a)『中国瞭望』「余茂春:二つの大きな誤算が中国共産党を迷わせる」(2023年9月19日付)





(https://news.creaders.net/china/2023/09/19/2649767.html)





(b)『BBC中文』「中印紛争と地図紛争:数十年に及ぶ龍と象の境界紛争」(2023年9月1日付)





(https://www.bbc.com/zhongwen/simp/world-66684009)





(c)『中国瞭望』「杭州は卞州だ。 習近平は国が滅びつつあることを知らない」(2023年9月19日付)





(https://news.creaders.net/china/2023/09/19/2649932.html)





(d)『万維ビデオ』「習近平はロケット軍の収拾を反腐敗で一掃するのか、それとも彼らに戦いを強いるのか?」(2023年7月30日付)





(https://video.creaders.net/2023/07/30/2631887.html)





トップ写真:BRICSサミットにて 習近平中国国家主席(左から2人目)とモディインド首相(右から2人目) 2023年8月24日南アフリカ・ヨハネスブルグ 出典:Photo by Per-Anders Pettersson/Getty Images




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