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金正恩、反米戦線拡大で窮地からの脱出狙う

Japan In-depth / 2023年10月15日 17時0分

それに加え、北朝鮮はイランとの協力関係も強化し、米国の軍事力の分散を促進しようとしている。イランが後ろ盾となっているパレスチナ武装組織ハマスが、10月7日未明にイスラエル南部全域に約5000発のロケット砲を奇襲発射し、ハマス-イスラエル戦争を勃発させしたことも、その動きの一環とみられている。





これで米国は、緊張が高まる朝鮮半島、ロシアのウクライナ侵略、新たに勃発した「ハマス-イスラエル戦争」の3つの戦線に軍事力を割かねばならなくなった。





北朝鮮国営メディアは10月10日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突について初めて見解を示し、イスラエルが流血の事態を引き起こしたと非難した。





米国内ではすでに、ウクライナ支援への疲労感が累積している状態だが、そこに中東での武力紛争激化が重なれば、バイデン政権は苦しい立場に追い込まれる事になる。米議会が9月30日に通過させた臨時予算案からは240億ドル規模のウクライナ支援予算が抜けた。ひょっとすると来年の大統領選挙で、金正恩が望むトランプの大統領復活があるかも知れない。





■ 核保有路線を永久化で米韓日を圧迫





金正恩は、ロシアとの「蜜月」を誇示することで、危機の突破を探る一方で、さらなる核武力の強化で米韓を圧迫しようとしている。





北朝鮮では9月26、27両日に最高人民会議第14期9回会議が開かれたが、そこで、核武力政策の強化を誇示するための憲法条文(第4章第58条)が追加された。今後いかなる事があっても非核化交渉には応じないとの立場を鮮明にしたのである。





北朝鮮は、すでに憲法序文で「核保有国」と明記し、昨年9月の最高人民会議では核武力使用を法制化したが、今回の会議で、それをさらに推し進め、「核保有国として国の生存権と発展権を担保し、戦争を抑止し、地域と世界の平和と安定を守護するために核武器発展を高度化する」ことを盛り込み、核保有路線を永久化すると宣言した。





金正恩は演説で「核武力を質・量ともに急速に強化する」と強調し、核兵器生産の増大や核打撃手段の多角化、各種戦力の実戦配備を指示した。





いま金正恩は、朝ロ軍事協力を強化し、「反米国家」イランとの連携で中東での「ハマスーイスラエル戦争」を長期化させ、世界的反米戦線を拡大させることによって四面楚歌からの脱出を図ろうとしている。





トップ写真:プーチン大統領との会談のためにロシアを訪れた金正恩委員長(2023年9月13日ロシア・ツィオルコフスキー)出典:Photo by Contributor/Getty Images




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