狙われるユダヤ人社会、南米3国国境地帯も緊張増す―中南米にもイスラエル・ハマス抗争が波及
Japan In-depth / 2023年10月28日 11時0分
アルゼンチン司法当局は今年6月、AMIA事件に関連し、現在ブラジルやパラグアイ国籍を持つレバノン人4人の容疑者を「国際刑事警察機構」(インターポール)を通じて国際手配したばかり。アルゼンチンの有力紙によれば、今月初めのハマスによるイスラエル攻撃以後、ブエノスアイレスのイスラエル大使館は繰り返し爆破警告を受けているという。
◇懸念されるハマスとヒズボラの動き
さらに懸念されるのは、いわゆる南米‟トリプル・フロンティア”(南米3国国境地帯)の情勢だ。ここはアルゼンチン、ブラジル、パラグアイの3カ国の国境が隣接する。付近に世界的観光地「イグアスの滝」があることで知られる一方、犯罪地帯として悪名高い。麻薬取引、マネーロンダリング(資金洗浄)、武器密輸、暴力事件などが頻発しているが、各国治安当局の対策が十分でない上、さまざまな犯罪組織の強力な秘密拠点があるため、無法地帯と化していると伝えられる。
特に注目すべきは、ハマスやヒズボラがここを有力な資金源として利用しているとされることだ。2001年の米同時多発テロ事件以後、米国務省はたびたび、‟トリプル・フロンティア”におけるイスラム過激派の違法活動を問題視し、南米3国に取り締まりの強化を要請している。同地帯には約2万5千人のレバノン系アラブ人が居住しており、その中には多数のハマスやヒズボラのメンバーがいるとの情報も流れている。アルゼンチンの現地メディアによると、イスラエルとハマスの抗争激化を受け‟トリプル・フロンティア”でのイスラム過激派の動きが活発化の様相を見せているという。
(了)
トップ写真:パレスチナ支援とパレスチナ人民との連帯を表明する抗議活動中にパレスチナの国旗を振るデモ参加者 2014年8月4日 ブラジル・サンパウロ
出典:NurPhoto/Corbis via Getty Images
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