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中国の今年第3四半期GDPの“虚偽申告”

Japan In-depth / 2023年10月31日 11時44分

(我が国を含め)欧米の場合、原則、「投資」と言えば「民間投資」に限られる。けれども、中国は「投資」の中に「民間投資」だけでなく「政府投資」も含まれる。もし欧米式ならば、原則「政府投資」は「政府支出」に加えられるだろう。





昨年、中国投資の57兆2138億元(d)中、「民間投資」は31兆0145億元(投資全体の54.2%)で、「政府投資」は26兆1993億元(同45.8%)である。





仮に、“中国式”ではなく“欧米式”で計算すると、(民間投資+消費)は74兆9878億元(GDPの62.0%)となるだろう。投資部分が激減する。





一方、(貿易黒字+政府支出)に「政府投資」を加えると46兆0329億元(GDPの38.0%)となるのではないか。





これらの数字を見ると、以下の事がわかるだろう。





(ⅰ)民間投資<消費





一見すると、米国・日本型に見えるが、中国は消費が少なすぎるのではないか。米国は80%前後、日本は60%前後である。





(ⅱ)普通の国の場合、(投資+消費)がGDPの約70%~80%を占める。他方、(貿易黒字+政府支出)はせいぜい20%~30%にとどまる。しかし、中国の場合、GDPの38%とかなり占める割合は大きい。





ちなみに、10年前(2012年)の投資は36兆4835億元(g)で、「民間投資」が24兆1141億元(投資全体の66.1%)、「政府投資」が12兆3694億元(同33.9%)だった。





つまり、約3分の2が「民間投資」、約3分の1が「政府投資」だったのである。近年、「政府投資」の総額が「民間投資」に迫っていて、近い将来、逆転もあり得るかもしれない。





 





〔注〕





(a)『国家統計局』「今年第1~3四半期の国民経済は回復と改善を続け、質の高い発展が着実に進んでいる」(2023年10月18日付)





(http://www.stats.gov.cn/sj/zxfb/202310/t20231018_1943654.html)





(b)『国家統計局』「2023年9月の消費財小売総売上高は5.5%増」(2023年10月18日付)





(http://www.stats.gov.cn/sj/zxfb/202310/t20231018_1943658.html)





(c)『国家統計局』「2023年1月~9月の全国不動産市場の基本状況」(2023年10月18日付)





(http://www.stats.gov.cn/sj/zxfb/202310/t20231018_1943656.html)





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