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「高岡発ニッポン再興」 その103 カラス捕獲「空白の3カ月」解消へ

Japan In-depth / 2023年10月31日 17時0分

「高岡発ニッポン再興」 その103 カラス捕獲「空白の3カ月」解消へ


出町譲(高岡市議会議員・作家)





【まとめ】


・カラス対策の強化に高岡市は来年度から本腰を入れる見通し。


・3月から5月の一番大事な繁殖期に檻に捕獲作業をしていなかった。


・愛鳥週間と予算の仕組みが理由で「空白の3カ月」が生じた。


 


私は高岡市議会議員になってカラス対策の強化を訴えてきましたが、高岡市はやっと来年度から本腰を入れる見通しになりました。カラス対策の肝は、個体数を減らせるかどうかです。そのため、檻を設置しているのですが、檻の運用方法が大きく変わる見通しになったのです。


10月18日の産業建設常任委員会で、古城公園に設置されているカラスの檻について、私が「24時間365日」カラスのおとりと餌を入れるべきだと訴えたところ、高岡市当局は「前向きに検討する」と答弁したのです。


この檻の捕獲作業には空白期間がありました。3月から5月までおとりや餌を入れず、捕獲作業を行っていなかったのです。それはカラスの繁殖期です。それなのに、「空白の3カ月」があったのです。カラス対策に関しては「高岡の陣」と銘打ってアピールしていますが、一番大事な時に、捕獲作業をやっていなかったのです。


私がこの衝撃の事実に気づいたのは、今年7月です。以前この連載でもお伝えしましたが、6月定例会の答弁書を改めて読みました。私はこう質問しました。去年設置されたカラスの檻の月別の捕獲数はどれくらいでしょうか。


それに対し、市側はこのように答弁しました。


「月別の捕獲数は、6月ゼロ、7月29羽、8月16羽、9月2羽、10月4羽、11月1羽、12月ゼロ、1月1羽、2月36羽、計89羽」。


6月時点で質問したのに、なぜ2月までしか数字を公表しないのか。私はふと不思議に思ったのです。そこで、遅ればせながら7月に入って当局に話を聞くと、2月末で捕獲作業を打ち切っていたことを明らかにしました。つまり、檻におとりや餌を入れたりしていないのです。


再開したのは6月です。カラスの繁殖期なのに、なぜ捕獲しないのでしょうか。


市当局が主張する2つの理由にも驚きました。高岡市では、愛鳥週間が5月後半にあるためだと説明しました。「カラスの個体数を減らし、美しい高岡を取り戻す」。その政策目標が、愛鳥週間でストップするというのは、私にはまったく理解できません。


そしてもう一つの理由については、予算の仕組みが影響しているというのです。予算というのは、3月末で当該年度が終わります。4月以降は、新年度の予算となります。そのため、新年度予算が3月定例会で成立し、その後、業者を入札する。そのため、時間がかかって6月以降になるというのです。


それでは役所のすべての事業が、年度をまたいで継続できなくなります。しかも、こうした事態を回避する仕組みがあります。債務負担行為と呼ばれるものです。


愛鳥週間と予算の仕組み。この2つの理由で「空白の3カ月」が生じていたのです。しかし、来年度からは解消されそうです。カラスを減らし、美しい高岡を取り戻す第一歩となるのです。


高岡市の職員の意識が民間企業と同じように変われば、私は高岡が大きく変化すると思っています。カラスを減らし、美しい高岡を目指す。その目的のために、何をすべきか。私は市議会議員として、提言し続けます。


トップ写真:古城公園に設置されているカラスの檻)執筆者提供


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