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「高岡発ニッポン再興」その104 100万人割れ目前 若い女性を戻せ

Japan In-depth / 2023年11月3日 7時0分

「高岡発ニッポン再興」その104 100万人割れ目前 若い女性を戻せ




出町譲(高岡市議会議員・作家)





【まとめ】





・高岡市最大の課題の人口減少問題は若年層の女性の流出が深刻。





・女性を戻す戦略をもっと打ち出すべき。





・あと5年から10年ぐらいが勝負。





 





私は人口減少問題こそ、高岡市が抱える最大の課題だと思っています。毎年1000人以上が減っていく現実。それにどう対応するのか。政治の課題です。令和5年10月31日付の日本経済新聞を読んで、その思いがますます強まりました。富山県人口について「100万人割れ目前」という記事があったのです。





私はジャーナリストトだった、2017年5月に北日本新聞に寄稿し、若い女性を戻す政策を訴えましたが、今日付の日経新聞は、ほぼ同じ趣旨でした。「100万人割れ」になると、心理的なインパクトが大きいと思います。この現実をもとに、政策を打ち出す必要があります。





日経の記事によると、富山県の人口は、9月1時点でおよそ100万7100人です。過去1年間、月平均でおよそ840人減少しています。単純計算すれば、1年以内に100万人を下回るのです。人口が100万人を下回るのは、戦後まもない1949年前後以来となるそうです。特に若年層の女性の流出が深刻だといいます。





そして、私が改めて納得したのは、データです。20年から22年の15歳から34歳で、転出する人が転入する人より、どれだけ多いのでしょうか。若い世代ですから、進学や就職で東京などに行きますよね。ただ、男女の数の差は極めて大きいのです。男性は1693人ですが、女性は3698人なのです。女性のほうが2.2倍なのです。





この数字から浮かび上がるのは、男性は製造業の企業に就職するため、戻ってきているが、女性はあまり戻っていないことです。





そうなんです。私は前段で紹介しましたが、2017年5月に北日本新聞に寄稿し、若い女性を戻すよう訴えました。人口問題の専門家、「持続可能な地域社会総合研究所」の所長、藤山浩さんに富山県のデータを分析してもらい、私が記事を書いたのです。





藤山さんは、2015年時点の国勢調査をもとにして、藤山さんが全国の市町村別に人口推計を出したのです。過去5年の人口動態の変化率などを踏まえて独自に予測したのです。





それは、驚くべき数字でした。富山県全体では、106万人の人口(当時)が2060年には62万人に減少する見通しというのです。





藤山さんは「都会に出た男性は戻っていますが、30代ぐらいの若い女性があまり戻っていません。大きな製造業があり、そこが男性の受け皿になっているとのかもしれませんが、女性を戻す戦略をもっと打ち出すべきです」と主張しました。





そして、驚愕したのは、市町村別の推計です。富山市や射水市などは人口の減り方は少ないものの、高岡市、魚津市、氷見市などが深刻だといいました。高岡市は17万人が2060年には9万9000人になるというのです。魚津市は半減になる見通しです。また、氷見市に至ると、4万8000人が1万6000人に減少する見込みです。





「2060年には高岡市の人口10万人割れ」。私は、この衝撃の予測に驚きました。藤山さんは「あと5年から10年ぐらいが勝負です。将来世代のために、市役所や商工会議所の重鎮が改革できるかどうかが、分かれ目です」と指摘していました。





それではどうすべきなのか。藤山さんのアドバイスなど含めて、対策については次回、お伝えします。





トップ写真:閑散とした高岡の中心街(執筆者提供)




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